• Reed the Flame Shadow
  • 焰影苇草
  • 리드 더 플레임 섀도우

焔影リード

医療タイプ — 呪癒師
術ダメージを与え、敵を攻撃する度攻撃範囲内の味方1人のHPを与ダメージの50%回復
  • DB02
  • 遠距離
  • 治療
  • 火力
  • 弱化
その他の昇格:
/ 90
【コードネーム】リード
【性別】女
【戦闘経験】八年
【出身地】ヴィクトリア
【誕生日】10月16日
【種族】ドラコ
【身長】172cm
【鉱石病感染状況】
体表に源石結晶の分布を確認。メディカルチェックの結果、感染者に認定。
【物理強度】優秀
【戦場機動】優秀
【生理的耐性】標準
【戦術立案】優秀
【戦闘技術】優秀
【アーツ適性】卓越
リードはロドスのヴィクトリア南部事務所への駐在中に、撤退の申請を提出し、近日再びロドスとの連絡を取ることに成功した。現在はダブリン名義で少人数の部隊を率いて、ヴィクトリア境内で活動している。暴力で脅迫されたターラー人の救助を主な行動目的としている。
造影検査の結果、臓器の輪郭は不明瞭で異常陰影も認められる。循環器系源石顆粒検査の結果に異常があり、鉱石病の兆候が認められる。以上の結果から、鉱石病感染者と判定。

【源石融合率】10%
本艦を出る前の検査結果に比べて、体表の源石結晶に目立った増加は確認されていない。

【血液中源石密度】0.22u/L
あの緊急治療に参加した医療部オペレーターならば、皆リードの身体状況がかなり印象に残っていただろう。治療は非常に難航したが、幸い病状を抑えることができた。
「患者が目を覚まして最初の質問が『なぜ私を助けたの』だったのよ。どう答えればよかったやら……はぁ、今はもう答えを見つけられたかしら。」
身分を隠すために、リードはロドスを出る時にエンジニア部に新しい武器を申請した。申請者との話し合いができなかったエンジニア部のオペレーターは、リードの古い方の槍から彼女のアーツ特性と戦闘スタイルを推測するしかなかった。だが、今回帰艦後のテストの状況を見る限り、新武器は予想以上にリードに適していたようだ。あるいは、本人が言うように、むしろ前の武器が合わなかっただけかもしれない。彼女はあの槍を手放せたことで解放感を得られたようだが、同時にそれを倉庫にきちんと保管しておくようにとロドスへ依頼した。
【アーツ概要】
リードはすでにアーツを細かく制御できるようになっている。彼女がアーツのテストを受ける際に、事前に現場の人払いをする必要がなくなり、本人も強烈な拒否を見せることはなくなった。
以前、ロドスで彼女の戦闘への見学が許されたオペレーターは、ほぼ皆彼女のアーツが持つエネルギーに驚き、恐怖さえ感じていた。しかし今の彼女のアーツは、全く異なる形になっている。複数名の理論術師によれば、リードのアーツは今も生体組織の活性化を加速させているが、その加速現象は明らかに制御されている。新たな血肉は傷口の癒合を速め、神経細胞の代替わりは痛みの伝達も抑制している。彼女のアーツによって、生命は老化と死亡を速められるのではなく、新生を迎えるようになったのだ。
長期的な訓練もなしに、これほど大幅にアーツの形式を変更させるのは、術師本人にとって極めて危険なことである。我々が繰り返し追及した結果、アーツのエネルギーを抑制して治療のみに用いる際、自身が焼かれるような感覚を負うと、リードはようやく認めた。だが同時に、体に実際のダメージは発生しないので、心配する必要はないとも述べた。
あの破滅的な力は間違いなく、今もリードの血脈に流れている。もし彼女の破壊性を測定したり、あるいは直接作戦任務に派遣したりすれば、瞬時に燃え盛った炎が全てを灰燼に帰す様を、目の当たりにすることができる。ただ、リードはアーツの今のような一面を我々に見せると決めたのだ。この静けさこそが、彼女が夢見るものなのだから。
再度医療部の検査を受けた時、リードは極めて協力的だった。ロドスとすでに信頼関係を築けていたのもあるが、自身がドラコであるということを受け入れ、それに伴う責任も認めていたからである。ロドスが特定のドラコの情報を握ることに関して、今のリードに懸念はない。そして、触れただけで人を不本意に燃やしてしまうという不安もなくなった。
リードは相変わらず物静かだ。今まで彼女と直接関わった極数名のオペレーターは、全員彼女が何度も震えながら気絶から目を覚ます様子を覚えている。その時の彼女の目は恐怖に満ちていたが、自分が何を見て、何を考えたかについては何一つこぼさなかった。他人とのコミュニケーションを頑なに拒む状況は、ロドスのオペレーターたちとドクター本人が繰り返し交流を試みたことである程度緩和された。しかし今回帰艦した彼女が見せた、落ち着いた談話に興じる姿が、彼女を気に掛けていた者たちを本当の意味で安堵させた。ヴィクトリアの混乱した局面や、彼女自身の責任に言及する時、リードは真剣に、そして慎重に自身の考えを述べてくれた。一方かの地の風土と人情、詩歌や未来への展望の話になれば、彼女は無自覚に心からの悲しみと愛情を見せるのだった。
医療部への滞在が終わりに差し掛かるころ、リードは自分から鉱石病の治療と防護に関する質問を口にした。
リードが主体的に医療オペレーターに質問したのは、これが初めてではない。前回ロドスを離れて旅に出る前も、彼女は数日の時間とかなりの労力をかけて医療用品を整理し、自身の持つケースをほぼ医療箱に変えていた。死に至る道を一つ一つ考え、そして対抗手段を講じるのは、当時の彼女にとっては、命の価値への機械的な確認だったのかもしれない。だが喜ばしいことに、それらの医療物資は実際に役に立ったようだし、今のリードが発する質問も、自分のためだけのものではなくなっている。
リードによれば、ほとんどのターラー人は防護措置の足りない環境で働いている。そのため、ターラー人の鉱石病感染率も比較的に高い。また、ダブリンが戦いを続ける中でも、負傷者の感染は増えていくだろう。リードは、自身が何かしなければいけないと感じた。リーダーであるためか、あるいは、ただ自分は彼らの同行者であるためか。
また、サイラッハがロドスを発つ前、リードは彼女と二人で図書室の一角で長く話し合っていたらしい。今回リードが帰艦した時、ちょうどヒロック郡から報告に戻ったサイラッハと再会した。ヴィクトリアで数ヶ月過ごしたことで、二人にはそれぞれ明らかな変化があった。サイラッハが一人思いつめた様子で応接室から出て行く姿を見た時、バグパイプと同様に元ヴィクトリア軍人である彼女と、現在ダブリンのために戦っているリードとの間に深刻な衝突が生じないかと、我々はひどく心配したものだ。
だが次の日に、図書室の一角で二人を見かけた者がいた。小説に没頭していたサイラッハは通りすがりのその者に気付くことはなく、一方リードは腕を枕に静かに昼寝をしていた。その手元には、半分ほど書かれた便箋が置いてあった。午後にリードが医療部に向かうまでの間、その一角から話し声が響くことはなく、聞こえてくるのは穏やかにページをめくる音と、さらさらとペンを走らせる音だけだった。
その後、サイラッハの報告書には、リードから聞き出したという、ヒロック郡事件の一部始終とターラー人の生存状況に関する記述があった。
我々はすでにロンディニウムでダブリンの部隊と顔を合わせた。任務に参加したオペレーターの一人一人が、おそらくダブリンに対してそれぞれ異なる印象を抱いたのだろう。リードはダブリンの一員としてロドスに戻ったわけではないが、その目で見てきたダブリンや、己が率いると認識しているダブリンについて語ることを避けたりしなかった。
ダブリンという名は、リード姉妹の姓に由来するものである。転々とする生活の中で長年隠されてきたその姓は、彼女たちがドラコの血を引いていることを証明している。だが、ほとんどのヴィクトリア人はそれを聞いても特別な反応はしない。そしてダブリンのリーダーがそれを組織の名にしたのは、忘れ去られたターラー王国の歴史を再度動かしたいという気持ちによるものかもしれない。
ターラー王国は、ドラコの遊牧民の一族によって今のターラー地区に築かれた。ヴィクトリアの歴史資料の記載によれば、ターラーが建国されたあと、悪夢のハガンに対抗するために、ヴィクトリアとターラーは併合の道を選び、ヴィクトリアもターラーの統治者にゲル王の称号を授けたのだという。しかし近年、ターラーの歴史文化を研究する学者たちの中では、民間の文化財や資料、そして口述されてきた物語から見て、ヴィクトリア王国は暴力でターラー王国を征服し、ターラーの領地を強引に我が物にしたという説が有力となっている。中には、ターラー地区の統治者はゲル王という名こそ有してはいるが、宮廷ではヴィクトリアから派遣された貴族が実権を握っていた、と主張する説もある。また、もう一つ広く支持されている説として、暴力による征服がなされてから数百年、ターラー地区独自の文明は絶えずヴィクトリアに抑圧され、酷い時には破壊された。その上、ターラー人自身の尊厳もヴィクトリアに踏みにじられてきたというものがある。
いかなる歴史的原因があるにしろ、現在のターラー地区は確かに発展が極めて遅く、人々の生活は貧しく、またターラー語話者とそれ以外の者との衝突も日に日に激しくなっている。ダブリンは、これらの問題により生まれた。記録によれば、ダブリンの部隊がヴィクトリア南部で活動を始めたのは二年ほど前だが、実際のところ約七年前にはすでに萌芽があったようだ。その時から現在に至るまで、ダブリンの核となる理念は一度も変わっていない――ターラーのドラコがその民を苦難から救済するのだ。
ダブリンの在り方からは、多方面による角力の痕跡が見て取れる。一部の者はターラー人であるという属性を重要視しており、一方もう一部の者はドラコによる王権の再建を渇望している。さらには両方とも関わりがない勢力が、ダブリンのもっとも有力な支持者であるウェリントン公爵に注目している。たとえ自身はただ苦難にもがくターラー人が公正に扱われてほしいと願っているだけだとしても、ドラコという身分がもたらす数々の論題からは避けられないのだと、リード自身も認めている。
【権限記録】
リードの陳述や我々が集めた他の情報によると、確かに今のダブリンは――少なくとも現時点ではヴィクトリアの王権を奪うつもりはない。大衆から見て唯一の王位継承者である、リードの双子の姉、ダブリンの主要部隊を率いているかのドラコの術師は、いったいどのような脅迫に屈して、あるいはどのような考えがあって、今のような態度を取ることにしたのだろうか?得られる情報のすべてが、ダブリンのリーダーは複数の勢力の間で自在に周旋する策略家であると示している以上、彼女は必ず譲歩を交換として何かを得ているはずだ。
その答えは、もうすぐ判明するのかもしれない。
近日ロドスがロンディニウムで遭遇したターラーのリーダーがエブラナ本人であるならば、リードがなぜあれほど姉を恐れていたか、なぜロドスに彼女と接触しないようにと警告したかをある程度理解できる。幸い、ロンディニウムで得られた情報とともに、我々が再度リードに姉の話をした時、彼女は前のように強烈なストレス反応を示すことはなく、かつて姉の「影」として振る舞っていた経験を落ち着いた態度で話し、我々の記録した情報の中の曖昧な部分を補足してくれた。リードを通じて、我々はダブリンのリーダーのアーツについてより正確に把握し、ダブリンの一部の特殊戦闘員の戦闘スタイルを知ることもできた。
その後リードは、今回ダブリンがロンディニウムにやってきた目的を未だ完全に理解できていないため、その行動に賛同することはまだできないが、適切な時期に必ず直接姉に対面するつもりでいると述べた。
我々は操り人形の状態から脱却したリードが、復讐のために、あるいは相手の過ちを証明し、ダブリンの主導権を奪い取るために、姉と衝突するのを恐れていた。だが、どうやらリード本人にはそのつもりがないらしい。そして彼女によれば、エブラナが率いるダブリンの主力部隊もまた自分とある程度の暗黙の合意に至ったようだ。彼らはリードを追うことを止め、彼女と周りの人間をすべて同僚と見なしている。今のところ、双方は各自の計画通りに行動しており、平穏を保っているようだ。
「姉さんは、私がきっと自分のそばに戻ると知っているから、追う必要性を感じていないだけだよ。私が何を考えているのか、何を追い求めているのか、姉さんは何一つ気にしない。私が結局、自分から逃げることも隠れることもできないって姉さんは知っているから。」
「私?……私も気にしないよ。姉さんがターラー人のあるべき暮らしを得るために行動するなら、私がやっていることと姉さんのやっていることは、最初から同じ。私という一個人って、そんなに大事?」
ロドスを離れる前に、自分がそれまで直面できなかった心のわだかまりを、キミ宛の手紙に残していた。書き残せたのはほんの数行だったはずだけど、書き出したおかげで、ようやく私の心の奥にある良心と、ロドスが教えてくれた「命にはその価値がある」という言葉を信じる勇気が生まれた。
だけど、もし命に価値があるというのなら、それはきっととても貴重なものだろう。私がどう受け止めるべきかわからないほどに。Outcastがなぜ瀕死の私を、かつて無数の命を奪った私を助けたのかを、私は答えることができずにいる。燃料だけではないというのなら、私とはいったい何なのだろうか?
あの人に、そしてキミたちに答えを出すために、私は避難所から出ていかなければいけなかった。
そして今、私は再びペンを取り、キミに手紙を書いている。私が見てきたものを、そして私の答えを、キミに届けるために。
……
だから、私は私の身分から逃れられない。ターラー人である。ダブリンである。ドラコである。
そしてダブリンのリーダーである、こともできる。
命のあるべき姿を、彼らにも見せたいと思った。その責任が、私のことを選ぶというのなら、もう逃げたりはしない。
ドクター。ダブリンに戻るという選択を取ることは、私の最優先の庇護と救助対象が鉱石病患者ではなくなることを意味していると、私には分かっている。キミのそばにいる一部の人が私に向ける憎しみからも、もう逃げてはいけないということも。だからよく考え抜いて、私はロドスに戻る前に、この手紙をキミ宛に書くことにした。
私はロドスの敵にはならない。だが、もしキミが認めないというのなら、私は勝手にロドスに戻ってオペレーターを自称するというような真似はしない。全てはキミの判断次第だ。
HP
1583
攻撃力
600
防御力
114
術耐性
20
配置コスト
17
攻撃間隔
1.6 秒
ブロック数
1
再配置時間
70 秒

素質

  • 灼けつく炎
    敵にダメージを与えた際、30%の確率で対象に6秒間攻撃力-20%、30%の【対術脆弱】効果をもたらす灼痕を付与する(重複不可)
  • 耀映
    自身以外の味方ユニットを治療する時、焔影リードも同時に50%の治療効果を受ける

スキル

設定で詳細一覧を有効にして、詳細データが表示されます。
  • 迅速攻撃γ
    自動回復手動発動
    初期SP
    15
    必要SP
    35
    継続時間
    35 秒
    攻撃力+45%、攻撃速度+45
    atk
    0.45
    attack_speed
    45
  • 盛衰を共に
    自動回復手動発動
    初期SP
    18
    必要SP
    27
    継続時間
    20 秒
    味方2人(地面マスに配置中のオペレーターを優先する)に火球を3つ付与する。火球:1.5秒ごとに、接触した敵1体に焔影リードの攻撃力の240%の術ダメージを与える。また、火球の付与対象にのみ焔影リードの特性と同様の治療効果をもたらす
    projectile_life_time
    20
    atk_scale
    2.4
    cooldown
    1.5
    max_target
    2
  • 命の火種
    自動回復手動発動
    初期SP
    30
    必要SP
    40
    継続時間
    30 秒
    敵最大2体を同時に攻撃し、攻撃力+60%。第一素質の発動確率が100%に上昇する。スキル発動中、灼痕を付与した敵に対し、1秒ごとに焔影リードの攻撃力の60%の術ダメージを与える。また、付与対象の敵が倒れた時、その周囲一定範囲の敵全員に焔影リードの攻撃力の140%の術ダメージを与え、灼痕を付与する。
    付与した灼痕はスキル終了まで効果が持続する
    talent@prob
    1
    reed2_skil_3[switch_mode].atk
    0.6
    talent@s3_atk_scale
    0.6
    talent@aoe_scale
    1.4
    talent@range_radius
    1.7
    talent@atk
    0
    talent@damage_scale
    1
    max_target
    2

モジュール

  • ORIGINAL
    焔影リードの記章
    焔影リードはアーツで敵を攻撃すると共に味方を治療することに秀でている。
    外勤部門の決定に基づき
    外勤任務においては医療オペレーターとして区分し、呪癒師の責務を担う。
    特別に本記章を授与し、
    その証明とする。
  • INC-X
    「赤き龍に贈る冠」
    STAGEステータス強化説明
    1
    • HP +105
    • 攻撃力 +32
    呪癒師の特性
    術ダメージを与え、敵を攻撃する度攻撃範囲内の味方1人のHPを与ダメージの60%回復
    2
    • HP +145
    • 攻撃力 +42
    耀映
    自身以外の味方ユニットに対する治療量+3%、焔影リードも同時治療量の55%のHP回復効果を受ける
    3
    • HP +160
    • 攻撃力 +50
    耀映
    自身以外の味方ユニットに対する治療量+5%、焔影リードも同時治療量の60%のHP回復効果を受ける
    暗闇の中、リードは手探りで丁寧に髪を整えると、改めて背筋を伸ばす。
    彼女は、昔よく見ていた夢を思い出した。背後に伸びる影の上に姉が立っており、ひどく重い王冠を被るリードの姿を眺めている、という夢だ。彼女は、自分が王冠を戴くのは間違っていると思ったのだが、どうしてもそれは頭から外れず、取るには炎で融かすしかなかった。融けた金属は頬を伝って流れ落ち、とても熱く感じたのだが、冷たい紫の炎に慰められるほうがよほど恐ろしく、ゆえに声を一切上げずにいたものだ。
    彼女は、先日高速軍艦の航跡沿いに進んでいた時出会った二人を思い出した。彼らは「ダブリン」の名を知っており、彼らの土地には炎で焼かれた痕跡があった。二人は、「私たちの暮らしを破壊したのはお前か?」とリードのことを責め立てた。生命の火を操るドラコはしばし押し黙っていた。自分の姉が人々にどんな恐怖を残していくかをよく知っていたからだ。けれど結局、彼女は首を縦に振った。というのは、彼女がダブリンのリーダーであり、ターラー人にダブリンは二つも必要なかったからである。
    誰かが彼女の名を呼んだ。彼女は立ち上がり、狭い木の扉をくぐる。
    ――そうして彼女は、干し草が敷き詰められ、色とりどりのボール紙で飾られた脱穀場へ足を踏み入れた。
    舞台衣装は動きにくく、愛する者のボタン穴へと花を挿すように、皆が彼女の衣装にリボンを掛けていった。千年前の赤き龍が、こんな格好で戦場へ赴いたとは到底思えない。
    だがそれで構わなかった。王冠を戴く者の見た目など、彼らが心に留めておくべきことではないのだ。ゆえに吟遊詩人が韻を踏むべく、伝説のドラコの英雄は長い金髪の持ち主だということにしても特に問題はないだろう。
    リードは咳払いをすると、やや緊張した面持ちで尻尾を振った。目の前のターラー人たちは、沼地にできた泥水の混じる細い川が、高速軍艦の走った跡であることを知らない。北の空に溜まる黒い雲が、戦火の煙であることを知らない。彼らが知ることと言えば、納税を終えた後食事にありつけることの有難みや、豊作を願って祭祀を執り行い、芝居を披露することの重要性くらいだった。リードと共に戦ってきた戦士たちは後列に座り、ほかのターラー人と同じ期待の目で彼女を見ている。リードは彼らから、もしセリフを間違えてしまったら次の一年は豊作に恵まれないというふうに教わっていた。
    「そなたらに土地を、恵まれた天候を授けよう。」
    そのセリフと共に槍の穂先が燃え上がると、観衆はしんと静まり返る。その場の全員が同じ錯覚を抱いたか、あるいは目の前の人物に対して、あるぼんやりとした予感を覚えたのかもしれない。
    リードがこうべを垂れると、子供が彼女の頭へとカラフルな花冠を載せた。それぞれの花は、健やかに育つ作物を象徴している。
    花冠は軽かった。彼女は間を置いてから、長年変わらず村に伝わる台本に、自らの意志でセリフを一つ付け加えた。
    「我はそなたらに、平和を授けよう。」

基地スキル

  • 赤龍の血
    訓練室で協力者として配置時、術師医療の訓練速度+30%
    赤龍の血
    訓練室で協力者として配置時、術師医療の訓練速度+45%
  • カリスマ
    制御中枢配置時、全ての宿舎内のオペレーターの1時間ごとの体力回復量+0.05(同種の効果は高いほうのみ適応)