• Specter the Unchained
  • 归溟幽灵鲨
  • 스펙터 디 언체인드

帰溟スペクター

特殊タイプ — 傀儡師
致命的なダメージを受けても撤退せず、<身替り>と入れ替わり戦闘を続行する(身替りのブロック数は0)。20秒後<身替り>から再び自身に入れ替わる
  • CR02
  • 近距離
  • 火力
  • 高速再配置
その他の昇格:
/ 90
【コードネーム】スペクター
【性別】女
【戦闘経験】七年
【出身地】エーギル
【誕生日】7月27日
【種族】エーギル
【身長】165cm
【鉱石病感染状況】
体表に源石結晶の分布は見られないが、メディカルチェックの結果、感染者に認定。
特殊な感染状況のため、更なる臨床研究を実施中。
【物理強度】卓越
【戦場機動】優秀
【生理的耐性】卓越
【戦術立案】標準
【戦闘技術】優秀
【アーツ適性】欠落
スペクターの本名はローレンティーナという。彼女は、エーギルの軍事組織「アビサルハンター」の一員であり、大型生物との戦闘や、強固な目標物の破壊においては、非常に優れた技術を発揮する。
「狂人号」事件後、彼女の精神状態は安定化し、記憶も回復して、感情の起伏も穏やかになった。
造影検査の結果、臓器の輪郭は不明瞭で異常陰影も認められる。循環器系源石顆粒検査の結果においても、同じく鉱石病の兆候が認められる。以上の結果から、鉱石病感染者と判定。

【源石融合率】14.5%
神経の感染に関しては、脊髄へ強制的に注入された大量かつ高濃度の液化源石が原因と判明している。現在の医療技術では彼女の病状に対処することは不可能であり、現状維持を目的とした最低限の治療を行うことしかできない。

【血液中源石密度】0.34u/L
源石感染の進行度は極めて遅い。我々にとっては通常考えられないことではあるが、非常に喜ばしいことでもある。また、その原因は、アビサルハンターが受けたという改造にあるものと推測される。

スペクターの医療ファイルは権限の高いデータベースに移行された。本件の担当関係者は機密保持を心がけること。
――医療部内部告知より
彼女の記憶と人格が故郷の潮汐に呼び覚まされてすぐ、スペクターは記憶を失っていた間の自分に起きていた様々な出来事を受け入れた。彼女のような達観した人間にとって、もう一人の「自分」の存在は、さほど忌避すべきものでもないようだ。むしろ、狂った「自分」の存在は、スペクターが物事を知る上で、もう一つの視座を与え、視野を広げてくれたとさえ言えるだろう。そうした観点から見れば、彼女はそのことに満足している。しかし、彼女は時々、「自分」が狂っていた時に得たインスピレーションを正しく用いなかったことを、もったいないと感じているようだ。なお、現在の彼女には、「自分」が周りの環境やロドスそのもの、そしてオペレーターたちに与えた影響を消化し、受け入れるための時間が十二分にある。加えて、以前の彼女と関わったことのあるオペレーターたちが見せる困惑と戸惑いは、スペクターにとって新鮮で楽しいものであるようだ。

スペクターの精神状態は現在、すでに安定しており、主人格が再度取って代わられる可能性は理論上非常に低いと思われる。だが、激しい戦いや、感情が激しく揺さぶられる状況において、スペクターが突然行動パターンを変化させる現象は依然として観測されている。それが再発した病気によるものなのか、あるいはスペクター自身がかつての自分を意図的に真似て「インスピレーション」を探しているのかについて、我々は知る術を持たない。ゆえに引き続き注意深く観察を続け、当該オペレーターの精神状態をできる限り維持することを提案する。
――医療部匿名オペレーターより
神出鬼没なグレイディーアや、一匹狼なスカジとは異なり、スペクターはアビサルハンターの中で最も接しやすい人物であると同時に、ただ一人エーギルについて明快に説明してくれる人物でもある。多くのオペレーターは彼女との会話を経て初めて、かの神秘的な深海国家について多少の知識を得ることができるようになった。
スペクターによれば、大陸から遠く離れた海の底には、一つの理想的な国家があったという。そこでは、源石によって生じる煩わしさも、生きるために被る憂いもなく、人々はそれぞれの能力に応じて振り分けられ、得意分野を生かして働くことになっている。加えて、海底は明かりで満たされ、巨大な透明のドームが一つ一つの楽園を区域ごとに分割しているという話だ。日常生活には様々な自動式機械が溢れんばかりに存在し、すべての機械的労働作業は、ハイテクノロジーの産物によって行われているそうである。彼女が語る海底の風景は、テラの大地における最先端のSF小説に綴られた描写より、人を惹きつけるものだった。
スペクターが語る海底国家は、大部分のオペレーターが持つ、遠き未知の国への幻想を満足させうるものだ。それゆえに、彼らはスペクターがあまり言及しなかった部分に気付くこともなかった。その部分とは即ち、エーギルの生活環境がシーボーンに脅かされていたこと、そしてその侵攻による被害を被っていたことである。
アビサルハンターが海上で立ち向かわねばならない問題は、海面下にも同じように存在していたのだ。
しかし、今現在持ちうる力では、アビサルハンターには何一つ変えることはできない。だというのに、エーギルの技術を以てしても完全には駆逐できないシーボーンのもたらす災いに対して、陸の人々の未熟な科学技術で何ができるというのだろうか?
だが、それがアビサルハンターたちの現状である。グレイディーアは常々それを憂いており、スペクターもそのことをよく理解している。
それでも、スペクターは陸の友人たちとの協力関係に、かなりの自信を持っている。それは能力や実情を考慮した上での判断ではなく、感情面で考えた時、このか弱い仲間たちと共に戦ったほうが、奇跡を生み出せそうだと思っているためだ。
だからこそ、スペクターは常に先陣を切って突撃し、回転鋸を振り回して、友人たちのために小さなチャンスを生み出すのである。
何といっても、スカジの小隊はすでに件の「あれ」を殺す機会を生み出したことがあるのだ。
となれば、もう一度そうすることもできるはずだろう。
以前ロドスでスペクターの世話をしていたオペレーターは、スペクターがいつも彫刻や絵画を長時間黙って眺めていることに気付いていた。それはまるで、そうした作品を鑑賞している間は、精神に暫しの安寧がもたらされているかのようだった。そして、オペレーターたちは、彼女が自我を取り戻し、作品に対する意見を述べられるようになったことで、その生来の芸術への愛が傷ついた精神を慰めていたのだと知ることとなった。
スペクターにとって芸術は、エーギルの社会が彼女に向けた期待の象徴であり、彼女自身が生活の中に追い求めていたものでもある。彼女には幼い頃から、両親の生業のお陰で、様々な芸術作品に接する機会があった。そして、多種多様な芸術のうち、彫刻こそが最も彼女の心を動かすものだったのだ。あの真っ白な彫刻を見た瞬間のことを、スペクターは今でも覚えている。時間が停滞を望み、時計の針が進むことを拒絶したかのように、永遠の化身ともいうべき巨大なオブジェは、思うがままにその姿を披露し、彼女に芸術とは何か、美とは何かを教えてくれた。今となっても、スペクターは当時の彫刻家の創作理念を理解するには至っていない。そもそもあれ以来、その彫刻を目にする機会さえもなかったのだ。それでも、かの巨大な岩に刻まれた感性の在りようは余すことなくスペクターの心に残り続け、彼女が彫刻家を志す理由となった。それに加えてエーギルもまた、彼女の才能を認めていた。本来ならば、いつの日か彼女は――ローレンティーナは、自分の彫刻作品を生み出すことができていただろう。
もしもアビサルハンターになっていなければ、の話だが。
スペクターが彫刻家見習いからアビサルハンターに転身したことは、部外者から見れば意外なことに思えるかもしれない。しかし、そうした部外者は知りえぬことだが――エーギルがその技術と制度によって選び出した人員は、決して職務上必要な能力を欠くことなどないのだ。そのため国民は、アビサルハンターの例のように国から招集された場合、基本的には拒絶しない。スペクター自身、順調に改造を終えると、すぐに訓練内容をものにして、正式にアビサルハンターとなり、グレイディーアと共にシーボーンを狩るようになった。そして、彼女の美を追い求める心は、シーボーンへの深い憎しみへと変わっていった。確かにシーボーンには、印象深い形へ進化を遂げることもあるのかもしれない。しかしそれは美を求めて起きた変化ではなく、進化の中で偶然生み出された副産物にすぎないのである。スペクターにとって最も許しがたいのは、奴らのような生き物からすれば、エーギル文化の粋を集めた作品すらも無用の人工物でしかないということだ。彼女が所属するアビサルハンターの第二隊は以前、ある大型シーボーンの巣の掃討作戦を担当したことがある。そこでは街全体が海中に沈み、数々の建造物がシーボーンの巣になっていた。その際、絵の具が飛び散った油絵や、打ち壊され巣の下敷きにされた石像の数々を見たスペクターの心には、もはやシーボーンを殺すことへの躊躇いなど、露ほども残っていない。
文明が害獣に遭遇してしまった今、スペクターは喜んで屠殺者となった。
奴らの死を以て、エーギルの生を紡ぐのだ。
「私を実験に利用した連中のことを知りたい、ですって?」
「ほとんどの奴は私たちの手でもう片付けたじゃない、グレイディーア。」
「イベリア側からの情報提供を受けたから、それと併せて洗い直しが必要になったのよ。」
「そういうことね。じゃあ、ちょっと思い出す時間をちょうだい。」
「クイントゥスは――ええ、あなたに良いように遊ばれちゃったあの人は、一番語る価値なしね。」
「彼は実験のこと以外眼中にない上に、勝手に生み出した幻想に溺れて、力だけを追い求めてる人だった。自分を過信したうぬぼれ屋ってとこね。」
「だから、そんなに手ごわい相手でもなかったでしょ?」
「ええ。それから?」
「あのムカつくリーベリ……アマイアね。イベリアのあの船で、あなたも会ったと思うけど。」
「優雅だけれど、それ以上に危険な相手だったわね。」
「そうね。彼女は実験後に私の精神状態を記録して、フィードバックを出す役割を担ってたの。あの知識と素養があれば、残念ながら適役としか言いようがなかったわ。」
「アマイアは一番友好的に接してくる実験者だったけど、本当は私のことが嫌いなの。っていうか、自分の本能に従おうとしない私たちに文句タラタラだったのよね。」
「ふん。」
「最後はシーボーンのエサになったけど、彼女にとっては願い通りだと思うわ。ああいう人からすれば、テラの未来にはシーボーン以外存在しちゃいけないのかもね。」
「あの手の狂信的な信者は、海辺では珍しくないわ。」
「それで、最後の一人は……彼は……司教じゃなかったの。」
「あら、そうなの?」
「確か、実験手術の執刀医で……うっ……」
「大丈夫? ローレンティーナ。」
「ええ……大丈夫……ただ、気のせいかちょっと痛みがあっただけ……」
「彼は、手術の時以外ほとんど顔を出さなかったわ……邪教徒たちは……彼を、『先生』と呼んでた……」
「『先生』、ね。覚えておきましょう。」
「クイントゥスもアマイアも死んだ以上、彼はきっと前より慎重になると思うけど……」
「心配はいらないわ。」
「この惨たらしい事件には、私が片を付けるから。」
HP
2803
攻撃力
817
防御力
322
術耐性
0
配置コスト
16
攻撃間隔
1.2 秒
ブロック数
2
再配置時間
70 秒

素質

  • 内なる抱擁
    <身替り>状態時、周囲の敵の移動速度-40%、1秒ごとに攻撃力の40%の術ダメージを与える
  • エーギルの深奥
    編成中、味方【アビサル】のHP+20%

スキル

設定で詳細一覧を有効にして、詳細データが表示されます。
  • 生存の技巧
    自動回復手動発動
    初期SP
    25
    必要SP
    35
    継続時間
    25 秒
    発動後、範囲内のHP割合が最も低い他の味方オペレーターとHP割合を交換し、自身の攻撃力+150%
    atk
    1.5
  • 生への渇望
    自動回復手動発動
    初期SP
    25
    必要SP
    35
    継続時間
    20 秒
    攻撃力+130%、攻撃速度+50、スキル発動中は致命的なダメージを受けてもHPが1残る
    効果時間終了後<身替り>と入れ替わる
    atk
    1.3
    attack_speed
    50
  • 生からの重圧
    自動回復手動発動
    初期SP
    25
    必要SP
    40
    継続時間
    25 秒
    攻撃間隔を延長し、ブロック中の敵全員を同時に攻撃、攻撃力+260%、最大HP+200%、HP割合が自身と同等以上の敵を攻撃する時追加で攻撃力の70%の物理ダメージを与える。HP割合が自身よりも低い敵を攻撃する度HPが3%減少
    atk
    2.6
    max_hp
    2
    attack@atk_scale_ex
    0.7
    base_attack_time
    1
    attack@hp_ratio
    0.03

モジュール

  • ORIGINAL
    帰溟スペクターの記章
    帰溟スペクターは戦場において身替わりを用いて敵を翻弄することに秀でている。
    外勤部門の決定に基づき
    外勤任務においては特殊オペレーターとして区分し、傀儡師の責務を担う。
    特別に本記章を授与し、
    その証明とする。
  • PUM-X
    「レコード」収納箱
    STAGEステータス強化説明
    1
    • HP +200
    • 攻撃力 +50
    傀儡師の特性
    致命的なダメージを受けても撤退せず、<身替り>と入れ替わり戦闘を続行する(身替りのブロック数は0、攻撃力が上昇)。20秒後<身替り>から再び自身に入れ替わる
    2
    • HP +230
    • 攻撃力 +69
    • 防御力 +20
    内なる抱擁
    <身替り>状態時、周囲の敵の移動速度-50%、1秒ごとに攻撃力の60%の術ダメージを与え、入れ替わる際自身のSP+8
    内なる抱擁
    <身替り>状態時、周囲の敵の移動速度-50%、1秒ごとに攻撃力の60%の術ダメージを与え、入れ替わる際自身のSP+8
    3
    • HP +250
    • 攻撃力 +83
    • 防御力 +30
    内なる抱擁
    <身替り>状態時、周囲の敵の移動速度-60%、1秒ごとに攻撃力の80%の術ダメージを与え、入れ替わる際自身のSP+15
    内なる抱擁
    <身替り>状態時、周囲の敵の移動速度-60%、1秒ごとに攻撃力の80%の術ダメージを与え、入れ替わる際自身のSP+15
    今日は任務のない休日だ。
    こんな日にすべきことといったら、次の任務や戦いにベストな状態で挑むべく、目いっぱいリラックスすることくらいのものである。
    スペクターはレコードボックスから一枚適当に見繕い、蓄音機にかけた。
    その場に抑揚のついた音楽が流れ出す。
    このレコードはイベリアの黄金時代に作られた傑作で、イベリアのオペレーターから買い取ったものだ。

    スペクターは目を閉じてソファに沈み込むと、静かにそれを楽しむ。
    黄金時代のイベリアがいかなる偉業を成し遂げたかということなど、彼女には知るよしもない。
    だが、この音楽からはそれがいかに輝かしい時代であったかが伝わってきて、当時の人々の誇らしげな顔が目に浮かぶようにすら感じていた。
    確かに、悪くない。彼女はそう認めた。
    「陸上文明の素晴らしさ」とやらに対する軽蔑を隠すつもりはないものの、こうした偏見を芸術の分野にまで持ち込むつもりもなかったのだ。
    ――そう、これは「偏見」である。
    彼女は、「偏見」を持っていることに自覚的でありながら、ドクターの前でも隠そうとはせず、自分を貫いている。
    しかし、これは決して無意味なこだわりではなかった。
    その上で、彼女は自分の偏見を、隊長の持つ傲慢さとは似て非なるものだと考えてもいた。
    隊長の「傲慢」は、総戦略設計士としての彼女の視野がもたらすものだろう。
    一方でスペクターは、自身の力の根源がどこにあるかには関心がない。
    偏見を持っていながらも、ロドスでの今の仕事に情熱を燃やしているのだ。
    とはいえ、彼女にも時折、こう考えてみる時がある。
    「故郷にあるあの彫刻や、私の故郷そのものは、今頃どうなっているのかしら。」

    音楽が止まった。
    ローレンティーナが目を開くと、もうずいぶんと見慣れてきた天井がそこにある。
    恐らくはこの先も、一層この環境に馴染んでいくのだろうが、それに対する恐怖はなかった。
    その手の恐れは、慣れ親しんだ環境を離れたくないという思いからくるものだが、彼女はすでにエーギルで暮らしていた頃の感覚をほとんど忘れてしまっていたのだ。
    スペクターはレコードボックスから丸ノコの刃を取り出して、優しく手入れをし始めた。
    それと同時にレコードを取り替えて、再び音楽を流す。
    イベリア人が様々な方法で黄金時代の輝きを後世に残そうとしたように、自分もかつて熱中していた彫刻に再び目を向けて、何か彫ってみても良いかもしれない。
    幸い、故郷に戻るのは当分先のことになるだろうし、その有様を思い出す時間はたっぷりと残されているのだから。
    スペクターはどこか自嘲気味に、そんなことを考えていた。
  • PUM-Y
    至らずの美しさ
    STAGEステータス強化説明
    1
    • HP +200
    • 攻撃力 +25
    • 防御力 +40
    傀儡師の特性
    致命的なダメージを受けても撤退せず、<身替り>と入れ替わり戦闘を続行する(身替りのブロック数は0、HPが上昇)。20秒後<身替り>から再び自身に入れ替わる
    2
    • HP +230
    • 攻撃力 +33
    • 防御力 +48
    エーギルの深奥
    編成中、味方【アビサル】の最大HP+25%、SPの自然回復速度+0.3sp/秒(同種の効果は高いほうのみ適用)
    3
    • HP +250
    • 攻撃力 +40
    • 防御力 +55
    エーギルの深奥
    編成中、味方【アビサル】の最大HP+30%、SPの自然回復速度+0.5sp/秒(同種の効果は高いほうのみ適用)
    「あの際限なく湧いてくる肉塊との殺し合いは、もはや我々にとって不可避にして唯一の使命になってしまったのかもしれない。」
    時計は規則的にリズムを刻み、巨大艦船はドームの光を遮っている。
    ウルピアヌスは明滅するいくつかの表示灯を見上げながら、物思いに耽っていた。
    それに対して若き女性執政官は熟考の末、「そんなはずではなかったわ。」とこぼした。
    「そうだな。エーギル人が目覚めた直後に考えることが失ったものについて……」
    「あるいは、それをどう取り戻すかについてであってはならないはずだった。」
    ウルピアヌスは暫し黙り込む。彼の掠れた声からは、捉えようのない感情が滲んでいた。
    そうして、彼は溜息をこぼした。
    「俺たちはこれまで数多くの偉業を成し、そして数多くの物を生み出してきた。」
    「しかし、今となっては生きるための闘争こそが、我々新世代にとって、唯一の馴染み深い行為となってしまった。」
    「闘争という言葉の気高さを否定はしない。だが、俺たちが確かに備えていたはずの創造力や探究心は、今まさに人々の中から消えつつある……」
    二人は同時に遠くへ目を向けた。ドームの下一面が明るく照らされている。
    「……いや、消されつつあると言うほうが正しいな。」ウルピアヌスはそう付け加えた。
    グレイディーアはウルピアヌスを一瞥すると、暫し言葉を選んだ後にこう問いかけた。
    「そう感傷的になるなんて、あなたらしくないのではなくて?」
    すると、彼は答えた。
    「そうだな。」
    そして今度は言葉に詰まることなく続けた。
    「俺たちはこの問題に、より真剣に向き合うべきだ。」
    「我々の文明は、いつまでも尾を引くこの災厄の中で恒久的な変化を迎えつつあるのだから。」
    グレイディーアがそれに対してさらに言葉を続けるべきか迷った時、轟音がそれを止めさせた。
    音に続けて、さらに多くの巨大艦船が着港し、新たに移住と再建が成されていく――

    その光景を目の当たりにすれば、グレイディーアはウルピアヌスの言葉について真剣に考えざるを得なかった。
    美しいものを探究する心、新たな物事を創造する力。
    グレイディーアが生まれるよりもずっと昔――数百、数千年も前かもしれないが、
    ともあれ当時のエーギル人がこの偉大なる文明を築き上げた時、その輝きに影が差す未来を想像したことはあっただろうか?
    訪れてしまった今日のために、彼らは何らかの準備をしていたのだろうか?
    しかし、そんな思考は一瞬のものだった。彼女にとって大切なのは過去ではない。
    重要なのは、今何を準備すべきか、そして今何ができるのか、なのだから。

    その時、ウルピアヌスが唐突に沈黙を破った。
    「――新しいアビサルハンターのことだが。」
    「芸術に関心を持っているそうだな。聞くところによると、ダンスやオペラへの造詣も深いとか。」
    彼の言葉に、彼女は答える。
    「ええ。ローレンティーナ自身が言うには、特に故郷の彫刻芸術が印象深く残っているそうよ。」
    ウルピアヌスは身を翻して背を向けた。
    「ならば彼女にはまだエーギル人にあるべき資質が残っているというわけだ。」
    実験を経て傷だらけになった彼の身体は、すでに執政官がこの季節にまとう薄手の服では隠し切れなくなっていた。
    「どんな奴だ?エーギル旧時代の生活の縮図のような人物であれば、道を外れることを強要されて恨みを抱いているだろうな。」
    「いいえ。そういった感情は、彼女を形作るエッセンスにしかなり得ないわ。」
    グレイディーアは珍しく微笑んだ――彼女の微笑みは、筋肉や神経伝達レベルの些細な変化を細かく観察して初めて観測できるものではあるが。
    「あの子は、闘争の中で自分だけの美を創造しているのよ。あなたが言うように、興味津々でね。」
    ウルピアヌスは答えの代わりに鼻を鳴らすと、彼女を残して立ち去った。
    残されたグレイディーアは一人、巨大艦船が落とす影の中で静けさを味わう。
    エーギル人が前に進む足音だけが、ホールに反響していた。

基地スキル

  • 特殊エキスパートα
    訓練室で協力者として配置時、特殊の訓練速度+30%
    エーギルの戦術
    訓練室で協力者として配置時、特殊の訓練速度+30%。特化ランク3への訓練をサポートする場合、訓練速度がさらに+65%
  • 闘争への渇望
    訓練室で特殊の特化ランク3への訓練の協力者として配置時、体力消費が1時間ごと+1