• Carnelian
  • 卡涅利安
  • 카넬리안

カーネリアン

術師タイプ — 法陣術師
通常時攻撃しない、防御力と術耐性大幅上昇
スキル発動中、通常攻撃が攻撃範囲内の敵全員に範囲術ダメージを与える
  • LN04
  • 遠距離
  • 範囲攻撃
  • 防御
/ 90
【コードネーム】カーネリアン
【性別】女
【戦闘経験】六年
【出身地】サルゴン
【誕生日】1月17日
【種族】キャプリニー
【身長】173cm
【鉱石病感染状況】
メディカルチェックの結果、非感染者に認定。
【物理強度】普通
【戦場機動】普通
【生理的耐性】優秀
【戦術立案】標準
【戦闘技術】標準
【アーツ適性】優秀
カーネリアンはサルゴン奥地にある、首長の管轄外のある古い部族の出身で、現在は故郷を離れ遊学中である。リターニアのホーエンローエ伯爵に雇用され、従者としてリターニアに長期滞在している。今はロドスと協力関係を結び、オペレーターとしてリターニア境内のロドスの任務を担当している。
造影検査の結果、臓器の輪郭は明瞭で異常陰影も認められない。循環器系源石顆粒検査においても、同じく鉱石病の兆候は認められない。以上の結果から、現時点では鉱石病未感染と判定。

【源石融合率】0%
鉱石病の兆候は見られない。

【血液中源石密度】0.12u/L
源石との接触は比較的少ない。身体状況は健康そのもので、体のつくりも非常に強靭である。リターニアに身を置くサルゴン人の彼女は自らの身体状況をよく理解している。このまましっかり防護措置をとっていれば、よほどのことがない限り、今の健康は最大限に維持され続けられるだろう。
カーネリアンの出自と経歴は特に秘密とされていない。
彼女は砂漠の深くにある古い部族からやってきた。部族の慣習に則って、カーネリアンは成年後に故郷を離れ、大地を渡り歩き遊学に勤しんだ。様々な場所を訪れた彼女が観光と勉学以外で最も好むのは、ささやかで特色のある記念品を買うことだった。もし予想外の出来事がなければ、リターニアはカーネリアンの予定していた最後の訪問地のはずだった。しかし幸か不幸か、結局予想外は発生した。
リターニアのとある移動都市を観光していた時に、カーネリアンは意図せず現地の統治者――当時まだ幼かったヒヤシンス伯爵が感染者であるという隠された事実を知ってしまった。そのため身柄を拘束された彼女は、予定のように遊学の旅に簡単なピリオドを打って終わりにすることができなかった。
しかし、初対面こそ穏やかとは言い難かったが、時が経ち付き合いが長くなるうちに、リターニアの幼い少年伯爵とカーネリアンとの関係も変化していった。カーネリアン本人によれば、幼い頃から妹の面倒を見ていて子供慣れしているせいか、彼女にとっての少年伯爵は、面倒な弟を想定外に拾ってしまったようなものだった。気にかけても頭が痛くなるが、放っておけばもっと頭が痛くなる、そういう類の相手だ。だが、感染の事実を注意深く隠し、苦労している少年伯爵を、今のカーネリアンは既に認めており、彼を守り、彼のやり遂げたいことのために尽力している。
実をいえば、彼女とロドスの最初のコンタクトは、まさに伯爵の秘密裏の治療のためだった。我々が薬品を提供する交換条件の一つとして、カーネリアンにはオペレーターとして、リターニア境内においてロドスが表立って関与するのが困難な事情への対処に協力をしてもらうことになっている。
カーネリアンが人に与える第一印象は、すらりとスレンダーで、自信に満ち、細かい部分にもよく気が回り、かつ非常にパワフルというものである。彼女は理路整然とした人物で、仕事ぶりは秩序立ったものであり、周囲の状況についても卓越した把握力を見せる。その一方で、リターニア伯爵の従者にしては、あまり聞き分けがいいとも、気配りができているとも言い難いようだ。とはいえサルゴン人にしては、十分細かい決まりごとに縛られている様子も見て取れる。このような矛盾する二つの印象の融合により、カーネリアンの独特な雰囲気が作り上げられている。もし彼女を十分に知っていなければ、その親切で大らかな態度に惑わされ、親しみやすい女性だと思い込んでしまうかもしれない。
ロドスと関わっていくうちに、カーネリアンは次第に自分自身の多面性を見せてくれるようになった。洒脱で朗らかなのも、人付き合いが上手のも、何よりいつも笑顔を浮かべているのも彼女であるが、だからといって彼女がサルゴン人という事実を忘れてしまうのは大間違いである。カーネリアンと肩を並べて戦ったことのあるオペレーターが彼女について語る時、必ず使われるのが「凶暴、暴力的、残酷」といった言葉である。彼女が戦闘中に見せる技の華やかさも精緻さも、全てリターニアに縛られた結果作り上げられた幻像に過ぎない。内包された戦闘欲はあくまでも原始的で直接的である。
カーネリアンは自身の本質を過度に飾りはしない。どんな状況に面していようと、彼女は自分自身の信条に基づいて行動する。友には情熱的で朗らかに接するが、敵と定めた者に対しては憐憫の欠片も見せない。リターニアはこのようなサルゴン人を真の意味で縛り付けることはできないのだろう。
だが、自分を「模範的なお姉ちゃん」と称するカーネリアンは、実の妹と「拾った弟」の前では、明らかに優しいイメージを保とうと自制している――その努力が本当に効果を発揮できているかはコメントしづらいところだ。
交換条件によってロドスの外部オペレーターになったカーネリアンであるが、ロドスにおける彼女の行動記録を調べると、権限不足の場合は「対象は秘密任務に参加中」という偽造情報しか得られない。これはオペレーターという身分を得る際に、カーネリアンが出した要求の一つである。
当時彼女は我々に、自分に親しい妹がいることを打ち明けた。計画していた遊学の予定が崩れ、彼女がリターニアに留まってから既に二年余りが経過した。指折り数えれば、妹ももうすぐ成年し、慣習に則って故郷を離れ旅に出る頃合だという。カーネリアンはリターニアでの行動で様々なことに関わってきたため、妹を巻き込まないためにずっと連絡を控えていたらしい。自分が危険に身を置くことについては一切気にしないが、大切にしている相手に自分がほんのわずかでも危険をもたらすことは、彼女の庇護欲が許さないようだ。
カーネリアンはオペレーターという身分を得たのを好機として、この比較的安全な身分を使って妹と連絡を取りたいという意思を示した。もし妹が本当にロドスとコンタクトを取ったのなら、カーネリアンは任務中だと知らされる。そしてそのことを知ったカーネリアンも時間を見つけて「任務を終えてロドスに戻って」妹と再会することができるのだ。
リターニア貴族が持つ血脈に対する矜持とプライドは他者にとっては想像しがたいものである。カーネリアンのようなよそ者には、この地は理解し難いものだろう。彼らからすれば、よそ者がたとえ一時の名誉と栄光を得たとしても、代々重ねられた地盤が欠けた浮き雲でしかない栄誉などすぐさま消え去るものに過ぎない。だが、カーネリアンは嗤いながら、純血の貴族でさえ、一歩進むごとに細心の注意を払わなければいけないのだと教えてくれた。
彼女が我々に聞かせた話がある。
ホーエンローエ伯爵一族は政敵の陰謀により零落し、正統な血脈を受け継ぐ者として残されたのは一人の幼い男児だけだった。そして不幸なことに、伯爵の位を継いだこの少年も安定しない情勢の中で鉱石病に感染してしまう。
このような状況の中で、外部の医療機関や医薬会社とコンタクトを取ったのは他に選択肢がないための冒険だった。そして伯爵に治療を受けるよう説得したのが、一連の経緯を知り、その地に残り「余計なお世話」をすると決意したカーネリアンだった。彼女は細かい心遣いができ、察しがよく、そして豊かで真っ直ぐな感情を持つ人間である。この件に関して、彼女は一度も態度を変えたことはない――
政敵に気づかれる可能性や、ホーエンローエ家のプライドなどよりも、自身が面倒を見る子供の健康状況の方を、彼女はよほど重視しているのだ。
幸いにも、様々な考慮の末に、彼らは大企業や機関との接触を諦め、数ある候補の中でロドスとコンタクトを取ることを選んでくれた。

【権限記録】
リターニアの勢力を援助することに対して、私たちの内部でもある程度の意見の相違が生じました。ここで皆さんに私の考えを述べたいと思います。
リターニアの巫王時代が双子の女帝の手で幕を引かれてから数十年、この国は恐怖から蘇り、貴族たちは再び権力を手にしました。女帝たちの下で繰り広げられる醜い権力闘争を、私たちはたくさん見てきました。このような状況の中で、いたずらに貴族の一勢力を援助することは、私たちの立場を揺るがすものとなるのではないか、ロドスを私たちの初心と異なる方向へと向かわせてしまうのではないかと、ここにいる皆さんは心配しているかと思います。もっともな心配ですし、そうした慎重な態度と考えも重要なものです。
ですが、どんな状況にしても、私はこの考えを主張したいと思います――
鉱石病患者に治療を施すことは、ロドスが今まで続けてきたこと、そして今後も続けなければならない事業です。患者の身分や地位がどんなものだろうと、私たちは決して、助けを求めて訪れた患者に対して見て見ぬふりをしてはいけません。
――発言者アーミヤ
ロドスと協力を続ける中で双方の信頼が深まるにつれて、カーネリアンはある情報を幾度か我々にほのめかしていた。
自身の周りに発生している状況に関して、サルゴン人の彼女に彼女自身の考えがあることは明らかである。ほぼ明言していると変わらないほどの示唆は、ある種の探りなのか、予告なのか、あるいは救援のシグナルなのかもしれない。そして、もし彼女が語る全てが真摯で率直なものだと信じるのなら、そうした思いの数々は彼女の中に長い時間あり、既に何度も繰り返し考え抜いた末のものかもしれない。もし正しいタイミングさえ来れば、彼女は喜んでそれらの考えを実践するのだろう。
そう遠くない未来、カーネリアンからより踏み込んだ、より明確な救援要請が届くかもしれない。
その時ロドスがどう動くべきなのかは、大きな難題となるだろう。

そのほか、もう一つ特に注意しなければならないことがある――
信頼されるのも、好意を持たれるのもいいことだ。しかし決して油断しないように。カーネリアンはどうやら、気に入ったものを何でも故郷に連れて帰りたがっているようだ。
HP
2106
攻撃力
926
防御力
258
術耐性
15
配置コスト
24
攻撃間隔
2 秒
ブロック数
1
再配置時間
70 秒

素質

  • 血肉饗宴
    スキル発動時、HPが最大値の40%回復
    オーバーチャージ効果発動時、HPの回復量が2倍になる
  • 狂嵐の兆し
    SPが最大値以上の時、自身のSP自然回復速度+0.6sp/秒

スキル

設定で詳細一覧を有効にして、詳細データが表示されます。
  • 熱砂護陣
    自動回復手動発動
    初期SP
    5
    必要SP
    18
    継続時間
    20 秒
    攻撃力+60%、防御力+100%
    オーバーチャージ追加効果:特性の効果はスキル発動期間中も有効になる
    atk
    0.6
    def
    1
  • 砂縛地獄
    自動回復手動発動
    初期SP
    10
    必要SP
    25
    継続時間
    25 秒
    通常攻撃の間隔を大幅に短縮し、攻撃対象を0.3秒足止めする
    オーバーチャージ追加効果:攻撃力+20%、「0.3秒の足止め」が「0.6秒のバインド」に変化する
    base_attack_time
    -1.1
    attack@sluggish
    0.3
    atk
    0.2
    attack@root
    0.6
  • 喰殺ノ刻印
    自動回復手動発動
    初期SP
    5
    必要SP
    28
    継続時間
    21 秒
    攻撃範囲拡大、攻撃力が+280%になるまで徐々に上昇
    オーバーチャージ追加効果:攻撃が命中した対象のカーネリアンからの被ダメージは、スキル終了まで+20%(最大5回まで重複可能)
    atk
    2.8
    attack@damage_scale
    0.2

モジュール

  • ORIGINAL
    カーネリアンの記章
    カーネリアンは機を見計らって広範囲アーツ攻撃を仕掛けることに秀でている。
    外勤部門の決定に基づき
    外勤任務においては術師オペレーターとして区分し、法陣術師の責務を担う。
    特別に本記章を授与し、
    その証明とする。
  • PLX-X
    ヒヤシンスと短剣
    STAGEステータス強化説明
    1
    • HP +200
    • 攻撃力 +66
    法陣術師の特性
    通常時攻撃しない、防御力と術耐性がさらに大幅上昇
    スキル発動中、防御力と術耐性の上昇効果を一部維持し、通常攻撃が攻撃範囲内の敵全員に範囲術ダメージを与える
    2
    • HP +230
    • 攻撃力 +76
    血肉饗宴
    スキル発動中、最大HP+30%。スキル発動時にHPが最大値の40%回復
    オーバーチャージ効果発動時、HPの回復量が2倍になる
    3
    • HP +260
    • 攻撃力 +85
    血肉饗宴
    スキル発動中、最大HP+45%。スキル発動時にHPが最大値の45%回復
    オーバーチャージ効果発動時、HPの回復量が2倍になる
    その夜ホーエンローエ伯爵は、晩餐と呼ぶにはいささか忙しない食事を終えて別荘の寝室へと戻った。彼が部屋に足を踏み入れた瞬間に、何の気配もなく現れたカーネリアンも、続いて入室した。
    「こんな時間に、何の用かな?」
    「ご報告に来たんだよ。君が心配していた件は片付けてきたから、安心するといいよ。」
    「そうか。」
    開いた窓から夜風が部屋に吹き込み、長いカーテンがひらひらと揺れる。明日行われるパレードのために、慣れ親しんだ高塔から離れている伯爵は、少し肌寒さを感じた。
    「いや待てよ、なぜそんなことをわざわざ――ではなく、つまりだな、こんなに早く片付いたのか?」
    「もちろん。」
    「本当か? 念のためにもう一度確認するぞ。明日のパレードで、お前は――」
    「念のため? 私のことを信用していないの?」

    いつも何かと茶々を入れてくる護衛に苛立ったのか、伯爵は勢いよく足を踏み鳴らした。
    「当たり前だろう!楽器の演奏が一朝一夕で身に付くものか! まさかトライアングルの鳴らし方を覚えてきたとは言わないだろうな。」
    「さすがだね。ご明察だよ。」
    「ご明察だと? 本気で明日のパレードにトライアングルで参加するつもりか!」
    「それも当たり。ついでに進言すると、その言い草はトライアングル愛好者に対する尊重が足りていないよ。」
    「お前というやつは! 去年高塔に客人が来訪したときも、他の者が音楽を奏でる中でお前だけが呆けていたせいで、随分と笑い者にされたんだぞ!」
    「先月隣の都市から使者が来た時も、音楽隊の中に立ってフリだけでもしてろと譲らなかったよね。そのせいで使者がテーブルの下に盗聴器をつけようとした時に、いつものように首に武器を突き付けたつもりが、トランペットを押し当てていたよ。」
    「カーネリアン!!」
    「率直に言おうか。私は君の世話だけで十分大変なんだ。楽器なんて覚えてる暇はないね。」
    「そんなの知るか! 私が学べと言ったら学べよ!」
    歳相応の癇癪を起した伯爵は傲岸不遜な護衛を睨みつけると、怒りのあまり更に怒鳴りつけたくなるのを何とかこらえた様子で、ドアを思い切り閉めて出て行った。

    扉が閉まるや否や、カーネリアンは腰に帯びた剣に手をかける。
    「さあ、出ておいで、カーテンの後ろにいる君。」
    「議会が寄越した刺客だね? そして黒幕は伯爵の従兄弟かな。自分が爵位を受け継いだあかつきには、統治を市議会に任せるとでも言われたんだろうけど、まさかあの野心家の言葉を信じてるの?」
    「まあいいよ、質問を変えようか。お淑やかな送り方と、もっと直接的なのと、どちらが好みかな?」
    「……希望がないなら、私が決めるよ。」
    刺客が動く間もなく、カーテンが開いた口のように大きく広がって襲い掛かる。飲み込まれた獲物を、本棚が両顎のように上下から押し潰し、鋭い牙と化した燭台が噛み砕く。最後には残骸が地面いっぱいに散らばった。

    「終わったよ。入ってこないの?」
    伯爵は扉から頭だけのぞかせて危険がないのを確認すると、勇気を奮い起こして自分の寝室へと踏み込んだ。
    「気付くのが早かったし、アドリブも悪くなかったよ。よくできました。」
    「お前に褒められてもな。」
    散乱した調度と飛び散った血で滅茶苦茶になってしまった部屋を眺めながら、二人は無言で見つめあった。
    伯爵を狙った暗殺は何もこれが初めてではない。だがこれまでは全て高塔の中で発生していた。そして、ホーエンローエ伯爵の高塔は、刺客に寝室まで侵入されるほど無防備な場所ではないのだ。
    しばらくして、伯爵がふいに口を開いた。
    「カーネリアン。」
    「どうしたの? 言っておくけど、私のアーツで掃除なんてしないよ。」
    「そんなことは期待していない。」
    「いい判断だね。」
    「先ほどの話だが、本当に何か楽器を習う気はないのか?」
    「え? もしかして本気で面子が潰れるのを気にしていたの?」
    「そんなことない! 少し好奇心が沸いただけだ。お前がもし――」
    伯爵は顔を真っ赤にして、口をパクパクと開いたものの、結局何も言えずに寝室から飛び出していった。
    カーネリアンはかぶりを振ると、ベッドの横に置かれた満開のヒヤシンスの植木鉢に視線を向けた。それから、鉢植えの前に置いてある短剣を見つめる。護身用ということになっているが、実際に役に立つ場面などないだろう。ただ伯爵にわずかばかりの安心感を与えるだけの代物だ。
    まだ誰の体にも刺し込まれたことがないその刃は、しかしすでに血で赤く染まっていた。
  • PLX-Y
    故郷の音
    STAGEステータス強化説明
    1
    • 攻撃力 +65
    • 防御力 +30
    法陣術師の特性
    通常時攻撃しない、防御力と術耐性大幅上昇
    スキル発動中、通常攻撃が攻撃範囲内の敵全員に範囲術ダメージを与える
    攻撃範囲内の敵が多いほど与ダメージが上昇(最大15%まで)
    2
    • 攻撃力 +85
    • 防御力 +35
    狂嵐の兆し
    SPが最大値以上の時、自身のSP自然回復速度+0.8sp/秒。オーバーチャージ状態のスキル発動中、敵に狙われにくくなる
    3
    • 攻撃力 +95
    • 防御力 +38
    狂嵐の兆し
    SPが最大値以上の時、自身のSP自然回復速度+1.0sp/秒。オーバーチャージ状態のスキル発動中、敵に狙われにくくなる
    サルゴンには、「異郷で旧友に会う驚きと喜び」という感情を表現するためだけに用いられる単語がある。そのことからも、サルゴン人にとっての故郷、ひいては「故郷の音」がいかなるものなのかを窺い知ることができるだろう。しかしながら、ビーズワクスが突然リターニアのレストランに現れ、姉の目の前に座った時、ゆっくりと耳元の通信端末から手を離すカーネリアンの顔に喜びはなく、彼女には珍しい驚愕の色だけが浮かんでいた。
    「お姉ちゃん、お……驚いた?えへへ……」
    カーネリアンは急いでマイクを切った。
    ビーズワクスは、リターニアに来てはいけないと姉が言っていたのを忘れたわけではない。だから心許なげに、通りかかったついでに来たと言い訳をしたのだ。そんな見え透いた嘘を聞いて、カーネリアンはロドスの誰が余計な世話を焼いたのかまで見当を付けることができた。
    しかし、だからと言って彼女は無粋な真似はしない。カーネリアンは素知らぬふりでアンケセナーに近況を訊ね、旅の途中で何があったのかを聞いた。二人のいるテーブルは和やかな雰囲気だったが、耳元で聞こえる状況はまるで違っていた。
    「リーダー!応答してください!ターゲットが法陣の中央に到達しようとしています!」
    「どうかしましたか!?レストランで何かトラブルでも!?」
    「お姉ちゃん、何か聞いてるの?耳元で音がしてるみたいだけど。」
    「ああ、音楽を少しね。リターニア人の音楽はなかなか悪くない。アンケセナーも気に入ると思うよ。」
    「リーダー!ご無事ですか!?」
    カーネリアンは立ち上がった。「おっと、少しボリュームが大きすぎたかな。調整してくるよ。」
    カーネリアンが口にした「音楽」という言葉で、ビーズワクスは不安に駆られた。数年ぶりに再会できたと思えば、見知らぬ国が姉に変化をもたらしてしまっていたようだ。きらびやかな曲にすっかり慣れ親しんでいるのだとしたら、今もまだ「あれ」を気に入ってもらえるだろうか?ビーズワクスは包みを開けるのが恥ずかしくなり、それをぎゅっと強く握りしめた。
    カーネリアンは驚くほど早く戻ってきた。通信端末を外した彼女の顔には、ようやく一息つけたというような安堵の笑みが浮かんでいた。
    「お姉ちゃん、音楽はもういいの?」
    「ああ、聞き終わったから。それより、もっと大事なものが私を待っているわけだしね――」
    故郷で口にされるその単語は、ある種の感情を表すものだ。その言葉に、人を安心させてくれるようなカーネリアンの表情が加わって、それはアーツのようにビーズワクスの不安を消し去ってくれた。彼女は意を決して、包みから「あれ」を――リターニアの雰囲気には相容れない、素朴なサルゴンのシストラムを取り出した。
    「おお!私が唯一演奏できる楽器じゃないか!とっくに捨てられてしまったものと思っていたよ。」
    シャンシャン、シャンシャンと鳴り響くのは、故郷の温かで素朴な音だ。
    「懐かしいね。昔はこれでアンケセナーをあやしたものだ。覚えてるかな?」
    「お姉ちゃんはきっと、リターニアで大事なことをしてるんだよね。」
    「なんだって?いやいや、私はただ……」
    「たまには手を休めて、この音を聞いてみてね。たまにでいいから……忙しくて手紙の返事も書けない時とか、家に帰る時間もない時は、これを鳴らして……」
    カーネリアンは強がるのをやめて、表情を和らげた。
    「わかったよ。返事も書くようにするし、できるだけ早く家にも帰るから。」と、そう言ってやれたらと思ったが、いつになれば果たせるかもわからない約束を口にすることはできず、代わりにただシストラムを手に取って軽く振った。
    それは不思議な感覚だった。リターニアのレストランにいながらにして、サルゴンの木の葉が擦れ合う音が聞こえたような気がしたのだ。カーネリアンとアンケセナーはその音を、森の音楽と呼んでいた。二人が愛した、その音だった。

基地スキル

  • 術師エキスパートα
    訓練室で協力者として配置時、術師の訓練速度+30%
    手中万象
    訓練室で協力者として配置時、術師の訓練速度+60%