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アステジーニ

術師タイプ — 連鎖術師
4体目まで跳躍していく術ダメージを敵に与え、跳躍する度ダメージが15%減衰し、敵を一瞬足止め
  • RL08
  • 遠距離
  • 火力
/ 80
【コードネーム】アステジーニ
【性別】女
【戦闘経験】なし
【出身地】クルビア
【誕生日】7月10日
【種族】リーベリ
【身長】166cm
【鉱石病感染状況】
メディカルチェックの結果、感染者に認定。
【物理強度】普通
【戦場機動】標準
【生理的耐性】標準
【戦術立案】標準
【戦闘技術】標準
【アーツ適性】標準
ライン生命エネルギー課研究員、エレナ・ウビカ博士。ロドス駐在の間は、コードネームとして本名であるアステジーニを名乗っている。
戦闘においては、自作のアーツユニットと独自性の高いアーツによる牽制に長けている。だが、前線で戦うよりも、後方で専門分野の研究や機材のメンテナンスをするほうが彼女の好みには合っているようだ。
造影検査の結果、臓器の輪郭は不明瞭で異常陰影も認められる。循環器系源石顆粒検査の結果に異常があり、鉱石病の兆候が認められる。以上の結果から、鉱石病感染者と判定。

【源石融合率】4%
右足の足首近くに感染の痕跡が見受けられる。

【血液中源石密度】0.2u/L
状態としては軽度感染に留まっており、現時点で体表に目立った源石結晶の生成は見られない。

本オペレーターの医療プロファイルはある必要性からセキュリティレベルを上げ、アステシアのものと併せて保管している。関係者各位は注意を払うこと。
――匿名の高権限医療オペレーター
アステジーニがロドスを訪れるのは、今回が初めてではない。以前ライン生命本部で起きた実験事故で鉱石病に感染し、姉と共にロドスへ短期滞在した際に、彼女はオペレーター登録を行っている。なおその後は、暫くの休養を終えて身体に大きな支障がないことを確認したのち、ライン生命エネルギー課に戻り、仕事を続けていた。今回ロドスにやってきたのは、表向きはアステジーニが自分から外部派遣を志願したからということになっているが――実情としては、ライン生命内部において発生したもう一つの実験事故と、エネルギー課内での人事変動に関係しているようだ。アステジーニはしばらくライン生命に戻る予定はなく、ロドスで働き、生活することになっている。彼女は電力工学と工学、二つの博士号を持っており、これまでにもロドスの工房や後方支援部のオペレーターたちとの接触があったため、ロドスでの生活に順応するのも早かった。よって、人事部が彼女の精神状態を憂慮する必要はなかったと言えるだろう。
「ライン生命のほうで最近何かあったらしいって話は聞いてるよ。けどな、あの子はこっちに戻ってきてすぐ俺のところへ挨拶に来たし、その翌日にはもう材料を揃えて実験機材を発注しにきてたんだ。何か大掛かりな研究でもするつもりらしくてさ。パワフルだろ?ま、だから俺はこのハンマーに誓ってもいいぜ。アステジーニが半日でも落ち込んで無気力になることがありゃ、俺の給料一年分をお前のポケットに突っ込んでやる、ってな。」
――匿名の上級職人
ウビカ家の先祖はガリア占星学の分派の末裔だったが、主流となっていた学派に排斥されたため、クルビア南部へ移住し、そこに根を下ろした。その結果、彼らは意図せずしてガリア滅亡の影響を逃れ、今や社会的地位の高い名門一族となった。アステシアとアステジーニはその一族の若者である。
姉妹たちの両親、ウビカ氏とその夫人は見合いでの結婚だ。とはいえ二人はそれなりに気が合っており、幸せな日々を過ごし、結婚後すぐ子宝に恵まれた。そして、ウビカ氏が自らの研究した占星学で未来を占ったところ、彼は生涯で一人しか子供に恵まれない、という結果が出た。そのため、彼は生まれてくる我が子に、世に名声を轟かせられるだろう名前を付けることにした。アステシア――星々の極点という意味の名だ。
しかし意外なことに、妻はその日二人の女の子を産んだ。ウビカ氏は非常に喜んで、予想外に生まれてきたもう一人の娘にはアステジーニと名付けた。この娘が星々の始まり、源のように、一族へと新たな幸運をもたらしてくれることを願って。
アステジーニは幼少期から勉強が好きだった。姉のような、学んだことをすぐ臨機応変に生かす能力こそなかったが、彼女はより努力家で勤勉だったのだ。そのため、幼い頃のアステジーニは、姉よりも素晴らしいアーツを使いこなしていた。加えて、彼女の占星術への知識量は父さえも驚かせるほどで、ウビカ氏の言葉を借りるならば、「本来であれば姉と共に、一族の輝かしい未来を支える柱となるはずだった」。
しかし、現実にはそうならなかった。
彼女が変わったきっかけは、一台の壊れたプラネタリウム用機材だった。経験豊かな占星術師たる父母が、修理すればまだ使える機材を何とも思わずに捨て、新しい物を購入したのを知ったアステジーニは、自身の学んできた知識がどれほど実用性に乏しいものかに気付いた。けれど、「直せばまだ使えるのに」と親に面と向かっては言い出せず、代わりにその機材を部屋へと持ち帰った。そして、説明書と組み立てガイドを読みながら分解して修復を試みたり、機材制作の職人に話を聞いたりしながら、数か月かけてそれを完全に修理するに至ったのだ。彼女がそれを姉に見せると、姉は大喜びでそれを手に取り、妹の創意工夫を褒め称えながら飴を分け与えてくれた。だが、同じようにそれを両親にも見せた時――返ってきたのは、たった二言の冷淡な返事だった。
「どうしてこんなくだらないことに時間を浪費したんだ?」
「アステジーニ、もっと正しいことに時間を使ってちょうだい。」
黙って部屋に戻った彼女は、本棚に並んだ占星術の専門書を眺め、それから窓の外に広がる外縁も見えない移動都市区画を見渡して――ふと悟った。
たとえ星々の周期的な変化に精通していても、ほかの誰かにその遠く離れた非現実的な変化について自信を持って解説することができたとしても、そうした知識はこの大地にとって何の役にも立たないのだ、ということを。そして、仮にこの一族による無益な欺瞞を学び続けていけば、彼女は機材の一つも修理できない占星ペテン師にしかなれないのだ、ということを。つまり、アステジーニが本当に学びたいものは、平素父が見下しているような、真の意味で世界をより良くできるもの――
科学だ。
アステジーニはその日から、両親や先生たちによる占星術の講義には消極的になり、学校の授業に力を入れ始めた。自身の選択が正しかったことを学校での成績で証明しようとしたこともあったが、そんな彼女に両親が見せた軽蔑は、アステジーニの負けず嫌いをすっかり刺激するばかりだった。彼女の性格からして、もしアステシアが間に立ってくれていなければ、後先を考えずに家出していてもおかしくないだろう。そうして結局、大学の入学許可証を受け取り、ある程度の貯蓄と安定した収入源を得たと確信したらすぐ、アステジーニは家を飛び出して、自らを苦しませてきたその場所には二度と戻らなかった。さらに、彼女は入学手続きの際、新生活を迎えるにあたって自身に「エレナ」という新しい名前をつけた。
彼女は、遠く離れた幻の如き星になどなりたくはなかった。目指すのは光そのものだ。
最先端のテクノロジー企業であるライン生命の採用基準は、大概の人間を尻込みさせるに十分なものだ。学位を二つ持つエレナでさえ、この会社では特筆すべきところなど何もない。何しろライン生命では、修士も博士も雑用係同然にこき使われるのが普通なくらいだ。しかし、彼女は「幸運にも」師に恵まれていた。ライン生命エネルギー課主任、フェルディナンドが主導する実験プロジェクトに、エレナは大学時代から参加していたのだ。それをきっかけに、業界の最先端を行く彼のもとで数年間勉強しながら働いて、エレナは彼の自慢の弟子となった。とはいえ、それに伴って重ねた苦労のことは言うまでもないだろう。フェルディナンドには数十名の研究員が付いており、客員教授をしていた時代の教え子も数え合わせれば、彼は優に数千人の学生を教えてきたことになる。そんな彼に見込まれたエレナには、もちろん学術的素養があった。しかしフェルディナンドが最も気に入っていたのは、その極限状態での反応の早さと決断力、そして行動力だ。
数年前、エネルギー課の実験区画で重大な源石液漏洩事故が起きた。当時、エネルギー課の主な責任者たちは皆仕事でライン生命本部におらず、警備課はマニュアル通りの対処を行った。しかし、その漏洩はほかの部門にも影響を及ぼしており、加えていくつかの実験は、中断すれば不十分な反応を起こした材料がさらに危険な感染源となる可能性もあったため、救援は遅々として進まなかった。当時実習生だったエレナは、警備課主任のサリアに責任を持って現場状況を説明し、先頭に立って負傷者救助に当たっていた。彼女がそうしていなければ、フェルディナンドはさらに混迷した状況に直面していたことだろう。だが、エレナが鉱石病に感染してしまったのは、この事故の最中、救援を急ぐ一心で、防護装備が不完全な状態で危険度の高いエリアへと踏み込んだためだ。その上、姉のアステシアもこの事故に巻き込まれており、エレナの誘導でセーフティハウスへと避難したものの、その際妹と接触したことで共発性鉱石病になってしまい、姉妹共々ロドスでの治療を受けるに至っている。

「共発性鉱石病の具体的な原因は今も明らかになっていません。この感染例は極めて珍しく、近年になって数件発見されたばかりなのです。どの患者にも見られた共通点として、一卵性双生児の兄弟または姉妹がいること、幼少期から二人とも同じアーツを学び使用していること、精神的な繋がりが強くあること、感染者になったばかりのきょうだいと接触中に強い感情の動きがあったことが挙げられます。また、それを踏まえて仮説として挙げられる原因が、特定の時間と空間にあります。どの症例でも、彼らはきょうだいが感染者となってから数時間の内に接触しているのです。その時間を過ぎてから共発したという例も、違う場所にいたきょうだいが突発的に感染したという例もありません。」
「サンプルの数はいくつだ?」
「艦内で一つ、そしてロドスの各国支部から送られてきたものが二つです。」
「まだ少なすぎるな。この段階でそうした仮説を立てるのは、恣意的なものになりかねない。」
「もともと非常に稀な症例ですから、限られた資料をもとに研究するしかないのです。」
「本件に一刻も早く成果をもたらし、苦しむ人々に治療法を提示してやりたいという情熱は理解する。だが、こうした場面でも、君の生まれついての慎重さを持ち続けてもらいたいものだ。知っての通り、感情が高ぶって衝動的にアーツを使い、他人を感染させたという事例は多くある。血縁者間で、外的要因により次々と感染が相次いだという例もな。」
「であれば、なおさら――」
「これは、君の仮説のあらゆる要点が、特殊なケースを根拠に反証されかねない、ということを意味している。」
「……(悔しさが滲むため息)」
「鉱石病は普通の病気ではない。ゆえに、ほかの病気と同じ理屈は通用しないんだ。」
「……それでも、私は諦めません。」
「無論、そうだろうな。だがその前に、こうした患者たちのための医療計画を作成してもらいたい。」
「医療計画であれば、すでに作り終えました。ファイルを三つ、あなたのデスクに提出してあります。」
「そうか。ご苦労様、ありがとう。」
……
「まだ何かあるのか?」
「科学的な理論であの患者さんたちの鉱石病を説明できないのなら、確かに別の可能性を考えてみるのもありかもしれない、と思いまして。」
「というと?」
「ロドスにいる患者さんたちのケースでいうと、彼女たちは代々占星術師の家系だと聞きました。常識的な原因と結果を伴うものではありませんが――もしかするとこの問題は、神秘学的な角度からしか答えを得られないのかもしれません。二人の父親が、『自分は生涯で一人しか子供に恵まれない』と予見していたそうですが、それは間違いではなかったのかもしれない、と思うのです。」
「それはまだ君の仮説に根ざした憶測にすぎない。……だが、それが事実だと判断した場合には、その証明に努めるといい。」
――医療部会議室にて、高権限医療オペレーター同士の会話録音より抜粋
エレナはずっと、フェルディナンドのことを厳格ながらも個人の意思を尊重してくれる良き師だと思っていた。だが彼女は「359号基地事件」で彼の支配欲、不信、そして高圧的な態度の中に、両親の影を見てしまった。かつてはすべてをかなぐり捨ててまでそうした人間から逃れようとしたにもかかわらず、巡り巡って十数年後、同じような人の罠にはまっていたということだ。エレナはその瞬間、自らの上司であり指導員でもあるフェルディナンドとの決別を決めた。そしてその後、ライン生命にロドスへの派遣を志願し、姉の元へと戻ってきたのである。というのも、落ち着いて未来に備えられるのはこの場所しかなかったからだ。今のエレナは五里霧中の状態である。彼女の主な研究は、フェルディナンドの失踪とエネルギー課全体の変化によって滅茶苦茶にされてしまった。十年近く努力してきた成果は日の目を見ることのないまま、再開の見込みも立っていない。たとえるなら、オリジムシ養殖業で生計を立てていた人が、ある日突然虫舎そのものの消失に気付いたような状況である。技術面の詳細は頭に入っているが、それを再現できたとしても、ロドスで彼女が自由に使えるリソースなど多くはない。さらに、オペレーターとして働くことになった今、彼女には新たな責任と義務がある。研究以外にもやるべきことが山ほどあるのだ。
しかし、見方を変えれば、自分の人生はそう悪くもないとエレナは思っている。新たな生活に新たなチャンス、そしてロドス本艦の豊富にして幅広い人材――そうしたもののおかげで、彼女はささやかながら有益な研究をいくつも行うことができる。その上、ロドスの責任者は効率的な人物で、専門知識も持ち合わせているようだ。自らの上に立つその人物――「ドクター」が信頼に値することは、今度こそしっかりと確かめてある。そして何より、今の彼女は姉の宿舎のすぐ隣で暮らしているのだ。
エレナはようやく、我が家へと帰ってきたのである。
周知の事実として、アステジーニは自らの一族の占星術継承に常々批判的だ。時折、過激な発言のせいで姉からのでこぴんを食らうことすらあるほどに。だが、そんな彼女も、幼少期のトレーニングが自身にとって多少役に立つものであったことは認めざるを得ない。
ウビカ姉妹のアーツはその源を同じくしているものの、表れ方に違いがある。アステシアのアーツは複雑なパフォーマンスを重視しており、アステジーニのアーツは単純にして自然な形を重視している。彼女が杖を軽くひと振りするだけで、シルクのように軽いエネルギーが一筋輝いて、その日一日を気分良く過ごさせてくれるのだ。さらには、こうした「派手な」見かけのおかげで、悪事を企む無法者を油断させることもできる。そういう連中はあずかり知らぬことだが、このアーツは少し調整するだけで、柔らかく見えたエネルギーの輝きがたちまち高威力のエネルギービームに早変わりして、強靭なフォルテをも半月病院送りにしてやれる。
アステジーニは工房にいるのが好きだ。専門の職人でこそないが、しばしば工房に発注をしているがゆえに持っている専門知識は侮れない。また、彼女自身も時々工房を借りて作業している。大抵の場合は自分の杖の修理だが、姉のためにプラネタリウムを調整していることもある。昔は姉にお小遣いをねだるためだったというそれは、今では仲の良い姉妹関係を象徴するものとなっているようだ。違う道を歩んでいようとも、二人は変わらず互いを励まし合い、頼り合っているのである。――姉の落ち着きと思慮深さがなければ、アステジーニは衝動的に行動してしまいかねず、妹の決断力と忍耐強さがなければ、アステシアは選択を前に迷ってしまうことだろう。まったく違う二人が支え合っている、というのがこの姉妹関係を端的に表すに相応しい言葉だ。
HP
1440
攻撃力
705
防御力
122
術耐性
20
配置コスト
34
攻撃間隔
2.3 秒
ブロック数
1
再配置時間
80 秒

素質

  • 研究熱心
    配置中、15秒ごとに攻撃速度+4、最大5回まで

スキル

設定で詳細一覧を有効にして、詳細データが表示されます。
  • ボルテージダブラー
    自動回復自動発動
    必要SP
    7
    次の通常攻撃時、攻撃力が125%まで上昇し、敵最大2体を同時に攻撃して、それぞれ跳躍の最大対象数が4体になる
    3回チャージ可能
    atk_scale
    1.25
    max_target
    2
    chain.max_target
    4
    sluggish
    0.5
    ct
    3
  • アストラルバースト
    自動回復手動発動
    初期SP
    20
    必要SP
    40
    継続時間
    25 秒
    攻撃範囲拡大、攻撃力+40%、敵最大2体を同時に攻撃
    atk
    0.4
    attack@max_target
    2

モジュール

  • ORIGINAL
    アステジーニの記章
    アステジーニはアーツによる複数の敵への連鎖攻撃に秀でている。
    外勤部門の決定に基づき
    外勤任務においては術師オペレーターとして区分し、連鎖術師の責務を担う。
    特別に本記章を授与し、
    その証明とする。
  • CHA-Y
    未完成の時計
    STAGEステータス強化説明
    1
    • HP +50
    • 攻撃力 +45
    連鎖術師の特性
    4体目まで跳躍していく術ダメージを敵に与え、跳躍する度ダメージが減衰しなくなり、敵を一瞬足止め
    2
    • HP +70
    • 攻撃力 +62
    研究熱心
    配置中、10秒ごとに攻撃速度+4、最大6回まで
    3
    • HP +120
    • 攻撃力 +74
    研究熱心
    配置中、10秒ごとに攻撃速度+4、最大7回まで
    これはアステシアが妹のために選んだプレゼントだ。
    一年前、彼女は自分で描いた完成予想図を基にして、妹行きつけの工房に時計のパーツを一式注文した。
    そうして、パーツの型や細部のディテールについてはアステジーニが誰より信頼を置く工匠にすべて任せて作ってもらったのだ。
    元々は誕生日パーティーで直接手渡ししようと思っていたのだが、どうにも気の利かないアステシアは、家で誕生日を祝うことなどしばらくやっていなかった。
    そのため彼女は、ちょうどいいタイミングが来るまで待つことにして……
    結局、それはアステジーニの大学進学祝いとして、その当日贈られることとなったのだ。
    アステシアは、きっと妹は喜んでくれるに違いないとそう思った。

    実際、アステジーニ――エレナは喜んだし、それをすぐにも組み立てたいと思っていた。
    しかしその未完成の芸術品を前にした時、彼女はふとそれを一人で完成させるべきではないように感じた。
    何とかして時間を作り、姉を少しだけ独り占めして、二人で一緒に組み立てたい……
    そう考えた彼女は、自分のノートにメモをすると、大学の果てなき課題とプロジェクトの数々へと真っ向から飛び込んでいったのだ。

    彼女はその後も、ずっとそのことを覚えていた。
    姉に会うたび、彼女を宿舎へ連れて行って、あのプレゼントを一緒に完成させたいと思っていた。
    けれど、彼女の持ちうる時間はどれもあっという間に、論文の締め切りやら、発表のリクエストやら、プロジェクトのプレッシャーやらに奪われてしまうのだ。
    ゆえにそれをいくら思っていようと、彼女は現実に抑圧され、自らの衝動を抑え込んでしまっていた。
    時が過ぎても消えない望みもあるものだが、それを叶えるための時間は、生活と仕事のために幾度となく先延ばしになっていった。
    ……
    そして今、ある事情により彼女はライン生命からロドスへと赴任してきた。
    ライン生命の同僚たちが荷物をまとめておいてくれたため、アステジーニはまだ空っぽの新しい宿舎に、小高い山のごとく私物を積んだり、実験用具を一つ一つ広げたりしているところだ。
    そんな時、彼女はほこりを被った箱を見つけた。
    しかし、あの実験室で一心不乱に研究に励む石頭の同僚たちはほこりを拭う雑巾すらも用意してくれていなかった。
    そこで、彼女は仕方なく、隣の宿舎の扉を叩くことにした。
    隣人への挨拶を済ませて、雑巾を貸してもらうために。

    ノックのあとに、扉が開く。
    そこにはアステシアが立っており――唖然とする妹の手にきれいな布巾を握らせて、工具箱を一つ持たせてくれた。
    ……
    姉妹が部屋を片付け終えたら、きっと時計の鳴る音が聞こえ始めることだろう。

基地スキル

  • ラインテクα
    製造所配置時、製造効率+15%
    ラインテクβ
    製造所配置時、製造効率+25%