• Horn
  • 号角

ホルン

重装タイプ — 堅城砲手
敵をブロックしていない時遠距離範囲物理攻撃を行う
  • VC16
  • 近距離
  • 火力
  • 防御
/ 90
【コードネーム】ホルン
【性別】女
【戦闘経験】九年
【出身地】ヴィクトリア
【誕生日】11月1日
【種族】ループス
【身長】168cm
【鉱石病感染状況】
メディカルチェックの結果、非感染者に認定。
【物理強度】優秀
【戦場機動】標準
【生理的耐性】優秀
【戦術立案】優秀
【戦闘技術】優秀
【アーツ適性】標準
ホルンはヴィクトリア王立前衛学校卒業、現ヴィクトリア第二テンペスト特攻隊の指揮官である。ロンディニウム事件においてロドスと共同作戦を展開した後、エリートオペレーターMiseryの紹介により、ロドスと戦略的協定を結んだ。
造影検査の結果、臓器の輪郭は明瞭で異常陰影も認められない。循環器系源石顆粒検査においても、同じく鉱石病の兆候は認められない。以上の結果から、現時点では鉱石病未感染と判定。

【源石融合率】0%
鉱石病の兆候は見られない。

【血液中源石密度】0.13u/L
源石との接触は極めて少ない。

実を言うと、ロンディニウムのサディアン区で隠れ回ってた時期は結構危なかったと思うよ……幸い私たちは防護用の薬品を持っていったので、ホルンさんの他に、ヴィクトリアの戦士たちにも配れたよ。
――ロンディニウム特別行動隊医療オペレーター
プロの軍人として、ホルンの戦闘技術と戦術的素養は間違いなく一流である。彼女が使い慣れている武器は特殊な作りの盾である。撃発装置が搭載されており、ごく短時間内で十発もの弾薬を打ち出すことができる。
バグパイプの破城矛と同じく、ホルンの盾はヴィクトリア制式軍事装備の恐るべき実力を示している。今のロンディニウムは特殊な状況にあるため、協力者として、我々はホルン及び彼女が率いるヴィクトリア兵士の武器を整備した。作業を始めた当初、我々はこの盾の機械構造さえ理解できなかったほどだった。
「さすがテラ最先端の機械工学技術を持ってるヴィクトリアだよね。こんな武器、これ以上どうなっていくのか想像もできないよ」と、あのクロージャすらも感心した。
幸い、ホルンが一番難しい部分を分解してくれた。今まで受けてきた軍事訓練のおかげで、彼女はかなりの専門知識を身につけているようだ。話によると、物資が極めて不足していた時期、彼女や兵士たちが使っていたクロスボウや榴弾などは全て自作だったのだという。ホルンを通じて、ヴィクトリアの職業軍人がどれほど優れた素質を備えているか、我々は再度認識できたと言っても過言ではない。
「王立前衛学校で本当に機械工学を教えているのかな?じゃあ本艦でバグパイプに壊された制御端末の山はなんなの!?」上記の内容を閲覧したクロージャが疑問の追加を強く訴えている。
そして、本来であれば武器鑑定記録である本項目だが、ロンディニウムにおける人手不足を考慮して、以下の戦場観察記録も付け加えておく。
戦場におけるホルンは職業軍人そのものだった。総合的な戦闘技術だけでなく、小隊作戦の指揮においても経験豊富である。我々が初対面彼女に対して持った印象は、バグパイプの説明とは少しのブレもなかった。
しかし何度か極めて困難な戦闘の中で、私とその他数名のオペレーターはいくらかの変化を目の当たりにした。緊迫した場面だったため、私が記憶した場面も現実そのままだとは限らない。つまり、私が見たあの目や髪の色の変化も錯覚の可能性がある。しかし急速に上昇したスピードや、普段の彼女の自制が効いた緻密な作戦スタイルとは真逆な、破壊力に満ちた戦闘方法は目をそらせないものだった。
好奇心から、私は他のヴィクトリア兵士に話を聞いてみた。すると、ヴィクトリア軍で活躍する「白き狼」の噂を聞かされた。千年前に白きループスがサルゴンの月夜を駆け巡り、アスランのパーディシャーのために敵の軍隊をまるごと噛み殺しただの、百年前の白狼伯爵は素手でブラッドブルードの親王を引きちぎっただの……どう聞いても巷に流れるホラ話にすぎなかった。
しかし、医療部の報告によれば、ホルンが何らかの特殊アーツを使ったにしろ、血筋に眠る特別な能力を覚醒させたにしろ、そのような戦闘方法は彼女の体に大きな負担をかけるそうだ。部下やヴィクトリアの一般市民を守るためならば、彼女が際限なく無茶をすることを、我々はよく知っている。だが自分を大事にして軽々に無茶してほしくないと、我々は切に願っているのだ。
ヴィクトリアテンペスト特攻隊は、ヴィクトリア議会によって立ち上げられた特殊部隊である。その前身はヴィクトリア模範軍であり、主な責務は議会から直接下された特殊任務の執行である。活動範囲は飛び地を含む全ヴィクトリアである。
現在、テンペスト特攻隊は組織構成上ヴィクトリア軍に所属しており、戦時中は奇襲任務のために前線に配置されることもあるが、事実上は比較的独立した立場にある。特攻隊は六つの行動分隊に分かれており、各分隊は二つの行動チームに分かれ、各チームには五人の隊員が配属されている。特攻隊隊員は通常、他の特殊部隊や王立警察より選抜される。極めて厳しい訓練を経た彼らはオールマイティな作戦遂行能力と優秀な情報分析能力を有し、ヴィクトリア最先端の技術が用いられた装備を与えられる。
最初に模範軍を立ち上げた議員はまさに王立前衛学校の卒業生であったため、テンペスト特攻隊は成立当初から今まで、かの名高い軍事学校と近しい関係にある。一定期間ごとに、一部極めて優秀な卒業生が教官から推薦状をもらい、特攻隊の訓練や入隊試験に参加する。なお、その通過率は外部の人間には知りえない情報である。今まで我々が関わってきた二人の隊員から見る限り、たとえ王立前衛学校卒業でも、テンペスト特攻隊の正式メンバーになるのは困難極まりないことが明らかである。
ホルン本人はといえば、彼女と関わったことのある者ならば、彼女がテンペスト特攻隊の精神そのものであると分かるだろう。勇敢、忠誠、頑強、そして嵐のようにすべての障碍を薙ぎ払う。ヴィクトリアのため、そしてヴィクトリアに生きる人々のために、彼女は命が尽きるまで懸命に戦い続けるだろう。ところで、彼女は貴族の出身なのではないだろうか?いわゆるやんごとなき出身の若者は、一族で最も重要視される者でなかったとしても、未来に多くの選択肢はあるはずである。ロンディニウムの要人の側近だったり、集団軍の楽な高級指揮官だったり、いずれもテンペスト特攻隊に入り、どこよりも危険で骨が折れる仕事をひたすらこなすよりはずっとマシではないだろうか。
白狼伯爵……もしあの「白狼」のことならば、多少の推測はできる。王室に忠実だった貴族、特に軍事貴族は、二十数年前の政変以降は厳しい時間を過ごしているだろう。かのスカマンドロス伯爵は既にカレドンのような辺境都市で何年も隠居している。「白狼」の名は依然と軍の中で轟いており、多くの公爵が彼を忌避している。少しでも目立った動きを見せれば、たちまち一族連座の取り潰しとなるだろう。ホルンはもう何年も父に会いに行っていないと聞く。卒業してすぐテンペスト特攻隊に入ったという選択を見れば、おそらくホルンは父の保身のために行った譲歩に賛成していないのだろう。
たしかに、ヴィクトリアの未来はこのような年老いた、在りし日の栄光を守ることさえ叶わない貴族たちの手の中にはないのだろう。ヴィクトリアが第二のガリアになってしまうかどうかは、結局ホルンやバグパイプのような若者の選択に委ねられる。

――某ロドス駐ヴィクトリア情報員による個人記録
ロンディニウムの状況は最悪だ。ああ、局面は俺たちの予想よりずっと厳しい。
テレシスが遂に動いた。ナハツェーラー率いる王庭の軍勢はロンディニウムの外で、公爵たちの軍隊とにらみ合っている。
そしてOutcastを死に追いやった例の勢力――ダブリンに関しては、お前の推測通り、やはり何人かの貴族と繋がっていた。
奴らはテレシスとコンタクトを取ろうとしているようだ。協力関係を結びたいのかもしれない。
これまでの情報から見ると、この期に及んでテレシスがダブリンと同盟を結ぶ可能性は低い。急に大きくなり始めた謎の組織からの約束を信じるような男でもなく、ロンディニウム以外の都市に心が動かされるほど自分を過信する方でもない。
だが、最悪の可能性は考えておかなければならない。
ヴィクトリアが完全にバラバラになり、公爵たちはテレシスとダブリン、あるいは何か別の陰謀家に唆され、その結果国全体が内乱に陥る――そんな可能性だ。
テレシスは明らかに、例の大公爵の招待を受けて反乱を平定するという名のもとにロンディニウム入りを決定した当初から、今の状況を見据えていた。当時彼と共にカズデルを離れたサルカズはせいぜい一万弱。しかし今はどうだ?ロンディニウムの軍事工場は絶え間なく彼のために武器を生産しており、ナハツェーラーが掘った秘密通路は周辺各国から集うサルカズ戦士を彼の元に毎日送り届けている。
俺たちは今もテレシスの具体的な目的を知らない。しかしもし全面戦争となれば、招集された戦士のうち、生きてロンディニウムを出られる者はどれくらいいるだろうか?
そして戦争終結後、たとえヴィクトリアが自身のことで手一杯だとしても、サルカズにいい結末はないだろう。テレシスのヴィクトリアへの報復を目にした大国が、再度カズデルを攻撃の的にし、彼の地に新たな災難をもたらすこともありうる。
俺にはわからない。ケルシー、お前もブレイズもいつも俺は考えすぎだと言う。だが俺にできることはあまりにも限られている。
テレシスと軍事委員会の企みに関して、Logosとアスカロンの焦りは俺以上だろう。今俺にできるのは、引き続きダブリン部隊に随行し、奴らの目的を探ることだ。価値ある情報は全てなるべく早く届ける。Outcastがヒロック郡から助け出した例のドラコが準備でき次第、俺たちにもっと情報を提供し、ダブリンの実態を把握できるよう協力してくれるとお前は言ってたな。ならば、俺が集めたこれらの情報が彼女の決意を速めるための手助けになればいいと思う。
あともう一つ――例のダブリン部隊の軍営内で、若いヴィクトリア将校を見つけた。見た目はバグパイプが言ってた「隊長」とそっくりだった。
俺はしばらく慎重に彼女を観察した。お前も知っての通り、テレシスがやすやすとロンディニウムに進軍できたのは、ロンディニウム軍上層部の支援あってこそだった。バグパイプの「隊長」への思いは疑いようがない。だが、戦争の残酷さは人の心を作り変えてしまう可能性があることも俺は知っている。
彼女は厳重に見張られていた。ヒロック郡のマンドラゴラとその部下はよく彼女を言葉で侮辱し、嘲笑っていた。交渉する際のチップとしての価値があるためか、彼女に度が過ぎた生理的な苦しみが与えられることはなかった。いや、妥当ではない言い方だったな。若く気高い将校にとって、目の前で戦友が一人残らず嬲り殺されたのに、自分自身は敵の手に落ちて何一つ反抗できない、そんな状況ほど残酷なものはないだろう。
俺は多くの戦争捕虜を見てきた。彼らの多くは先が見えない監禁生活の中で闘志を失うか、憎しみに理性を飲み込まれるかのどちらかだった。
だが驚くことに彼女の意識は、はっきりしたままだった。
彼女が死んだ戦友の名前を口にしながら眠りにつき、同じ名前を叫んで飛び上がるのを何度も見た。しかしその目に涙が浮かぶことは一度もなかった。彼女の目にあるのは燃え盛る炎だけだった。生き残り、すべてを変えようとする渇望だった。その炎が悲しみを焼き尽くし、彼女を絶望に勝たせたのだ。
俺は自分が悲観的になりすぎたのではないかと疑い始めた。もしかしたら見上げれば、ロンディニウムの暗雲の後ろには、今も幾千万の星々が煌めいているのではないかと。
明日、あるいは今夜、彼女は必ずや脱走を試みるだろう。
ケルシー、俺は助けに行くべきだと思う。

――Misery
「思考を明晰にするは戦術、
意志を堅固にするは規律。
邪悪を壊滅しうるは勇猛さ、
生命を救済しうるは慈しみ。」
ホルンによると、これがヴィクトリアテンペスト特攻隊の格言である。
バグパイプと共に戦ったことのある者ならば、きっとこれらの言葉をよく耳にするだろう。彼女のここ半年の経験を知ったホルンは、長らく沈黙した。
「きっと命令を守り抜いてくれると信じていたわ。だけど……それで逆に軍を抜けなければいけなくなるなんて、思いもしなかった。」
バグパイプの選択、ヴィクトリアの情勢、そして軍の裏切者について、ホルンはそれ以上何も言わなかった。
彼女はただ、絶えず戦いに身を投じるだけである。僅かばかりの憩いの時、仲間と語り合い、笑い合う彼女の姿も見られる。ホルンには独特なユーモアがあり、一見シリアスな場面で、思わず笑ってしまうような言葉を繰り出すこともよくある。そんな彼女の一面は、他者との距離を迅速に縮めた。
それまで都市防衛軍だった者も、一般労働者だった者も、あるいは他の国や地域出身のオペレーターでも、戦士たちはホルンを前にするとすぐリラックスできる。
それは彼女が信頼に値する作戦能力と指揮能力を有しているからでも、敬服すべき正直さと頑強さを持っているからでもない。いつも一目で戦士たちの不安と恐怖を見破り、適切に皆の精神のケアをするからだ。
しかしこうした状況を見るにつけ、我々には懸念も生じるようになった。彼女は他人の不安を和らげるが、そんな彼女のことを慰められる者はいるだろうか?
彼女は自らを盾へと転じた。堅固で、安定し、決して仲間に先んじて倒れることなどありえないと言わんばかりに。
しかし、いかなる武器であろうと限界はある。
もしあまりにも長期間、己を極限にまで追い詰めていた人間から、のしかかっていた外圧が急に消えたとすると、どうなるのだろうか?
できれば、他のオペレーターと同様にホルンも皆に笑顔をもたらすだけでなく、苦痛も共に背負わせてくれたらと願わずにいられない。
このファイルを見たあなたならば、彼女に手を差し伸べることができるかもしれない。共に戦場へ赴くだけでなく、彼女の手を取り、わずかな休暇でも心ゆくまで楽しませることができるのかもしれない。
少し前、ロドスに一通の手紙が届いた。封筒の中に入っていたのは、一枚の写真だけだった。
写真には活発そうで美しい貴族の少女が写っていた。薄手のワンピースを身に纏い、裸足のままで、緑豊かな芝生で横になっていた。
大きなカエデの木が日避けとなっており、彼女の手元近くには一本の剣があり、それから本も二冊置いてあった――一冊は『帝国軍事史』で、もう一冊はその季節流行りの服飾のカタログだった。カタログは明らかに新品で、脱ぎ捨てた靴の下敷きになっていた。一方の『帝国軍事史』は、すでに背にひびが入るほどに読み込まれていた。
今のファッションスタイルとはかなり異なっていたが、私は一目でわかった。写真に写っている、まどろみの最中にいる少女は、ホルンだと。
この手紙を送ってきたのは一体誰だろうか?
「親愛なるリタへ」――写真の裏にはこう書かれていた。麗しい筆跡だが、まったく見覚えがない。
これほど早くホルンとロドスが協定を結んだことを知り得る者とは一体誰なのだろう。我々のトランスポーターは出発したばかりだ。バグパイプでさえ自分の隊長が生きているとまだ知らないだろう。我々がロンディニウムで何を為したかについてはもってのほかだ。
この者はおそらく昔からホルンと知り合いで、ずっと彼女に関心を寄せ、またロドスのことも注目していたはずだ。
この匿名の手紙について、すぐ調査を始めよう。送り主に強い悪意やそれ以上の企みがないことを願うばかりだ。
それはさておき……この写真を見た時、思わずにいられなかった。あの生真面目なホルンにも、こんな可愛らしい一面があるのだな、と。
HP
3367
攻撃力
1006
防御力
620
術耐性
0
配置コスト
28
攻撃間隔
2.8 秒
ブロック数
3
再配置時間
70 秒

素質

  • 軍事要塞
    配置中、味方【重装】の攻撃力+20%
  • 血戦
    致命的なダメージを受けても撤退せず、最大HP-50%、HPが全回復して、攻撃速度+18、防御力+18%(1回の配置につき、1回のみ発動可能)

スキル

設定で詳細一覧を有効にして、詳細データが表示されます。
  • 照明榴弾
    自動回復自動発動
    必要SP
    5
    次の通常攻撃時、攻撃力の280%の物理ダメージを与え、遠距離攻撃の場合ダメージ発生範囲拡大、着弾マスの周囲一定範囲に敵のステルス状態を無効にする照明エリアを8秒間生成する
    2回チャージ可能
    atk_scale
    2.8
    projectile_delay_time
    8
    projectile_range
    1.7
    cnt
    2
  • テンペストオーダー
    自動回復手動発動
    初期SP
    18
    必要SP
    25
    通常攻撃が敵に攻撃力の240%の物理範囲ダメージを与える
    オーバードライブ:通常攻撃時、追加で敵に攻撃力の60%範囲ダメージを与え、手動でスキルを停止すると残り全ての弾薬を発射し、HPが最大値の60%減少
    弾薬数は10発、手動でスキルを停止可能
    attack@s2.atk_scale
    2.4
    attack@s2.magic_atk_scale
    0.6
    attack@s2.hp_ratio
    0.6
    attack@s2.trigger_time
    10
    hp_ratio
    0.6
  • 死地戦線
    自動回復手動発動
    初期SP
    25
    必要SP
    35
    継続時間
    24 秒
    攻撃力+70%、攻撃間隔を大幅に短縮
    オーバードライブ:攻撃力上昇値が+140%になり、HPが徐々に減少(減少割合は時間と共に増加し、12秒後に最大HPの12%/秒になる)手動でスキルを停止可能
    atk
    0.7
    base_attack_time
    -1.8
    horn_s_3[overload_start].atk
    1.4
    horn_s_3[overload_start].interval
    0.2
    horn_s_3[overload_start].hp_ratio
    0.12
    horn_s_3[overload_start].damage_duration
    12

モジュール

  • ORIGINAL
    ホルンの記章
    ホルンは戦線を維持しつつ遠距離火力支援を行うことに秀でている。
    外勤部門の決定に基づき
    外勤任務においては重装オペレーターとして区分し、堅城砲手の責務を担う。
    特別に本記章を授与し、
    その証明とする。
  • FOR-X
    「模範たる人」
    STAGEステータス強化説明
    1
    • 攻撃力 +65
    • 防御力 +52
    堅城砲手の特性
    敵をブロックしていない時遠距離範囲物理攻撃を行う
    ブロックされている敵を攻撃時、攻撃力が110%まで上昇
    2
    • 攻撃力 +85
    • 防御力 +62
    軍事要塞
    配置中、味方【重装】の攻撃力+25%
    3
    • 攻撃力 +100
    • 防御力 +70
    軍事要塞
    配置中、味方【重装】の攻撃力+28%
    ホルンは木に背を預けて座っていた。その木の幹には砲弾で撃ち抜かれた穴が開いており、そこから抜ける風が壊死した木のささくれをこすって、ある種の粗雑な楽器のように嗚咽めいた音色を響かせている。
    それでもここは、戦場よりずっと静かだった。一休みしようと彼女が目を閉じると、誰かが近づいてきた。
    「隊長隊長、ここにいたんだね!」バグパイプが腕に抱きつき、肩にあごを乗せてくる。重いと感じてホルンは腕を引き抜こうとしたが、ヴィーヴルの怪力に掴まれた腕はなかなか抜けなかった。
    「ずっと探してたんだから。」と、バグパイプは目をまたたかせて、何とも哀れっぽい声で訴えかけてきた。
    「ずっと、ずーっとだよ。」
    ふと気がつくと、疲れすぎていたせいか、目を閉じるだけのつもりが眠り込んでしまっていたようだった。ホルンは少し罪悪感を覚えた。テンペスト特攻隊の隊長として、隊員たちを放ったまま一人で休息を取るのは褒められたことではない。
    戦況はどうなっているのだろうか?トライアングルの偵察小隊は戻ってきたのだろうか?バグパイプの受けた傷はまだ痛んでいるのだろうか?あまりにも多くの問いかけは、のどに詰まって出てこない。
    その時、背後から足音と歓談の声が聞こえてきた。きっと、オーボエがまたつまらないジョークを言ったのだろうとホルンは思った。
    チェロが周りの者から一拍遅れて、誰よりも大きな笑い声を上げている。彼女はそうして笑いながらオーボエの肩を強く叩いているのか、勘弁してくれとおどけたオーボエの声がする。バグパイプはようやくホルンの腕を放すと、飛び上がって隊員たちに勢いよく手を振った。
    振り返りたい、とホルンは思った。そうできたらと強く願えど、彼女にはそれができなかった。たとえ振り返ったとしても、実際のところそこには木にぽっかりと開いた穴しかないことをよくわかっていたのだ。
    振り返ってはいけない。振り返ったが最後、みんなの声はたちまち消えてしまうだろう。

    「――あら、夢でも見てたの?」ロックスレイが、相変わらずのからかうような口調で彼女に声を掛けてくる。
    「たまには私に一番を譲るくらいしたって、別に何でもないでしょうに。居眠りするほどクタクタになるまで勉強するなんて、あなたらしくないことしてるのね。」
    ホルンは、手元にあった本が閉じられ、そこに細い緑色の針が挟まっているのを見た。
    近頃ロックスレイは、期末のストレス発散に最適だなどと言って、フェルトワークに精を出している。そうして作った黄土色の玉を見せてきて、それをホルンの頭だと言い張りもした。ホルンは何度も、自分の髪色は金と白の中間のような色だと強調したが、ロックスレイは聞く耳を持たないのだ。
    「それで、一体どんな夢を見てたの?また戦場の夢?」ロックスレイは未完成のフェルトの塊を置くと、指先をあごに当てながら好奇心を隠さずに続けた。
    「あなたの夢に出てくる未来はどんな姿をしているのかしら?私、まだ卒業後の進路は考え中なのよね。後方の管理はちょっと退屈すぎるし、やっぱり参謀でも目指してみるとか?あーあ、初めての戦争はどんな感じになるのかしら。思えばこんなのんびりした時間って、私たちにとっては日に日に残り少なくなっていくものよね。」
    残念ながら、誰が望もうと時間が歩みを緩めることはないものだ。作りかけのフェルト細工は地面に横たわり、いつのまにか本当に土同然の色になってしまっていた。
    ロックスレイがホルンの顔をどう作るつもりだったのかは、ホルンには想像もつかないことであり、もはやそれを知る機会もないことだった。
    それどころか、彼女はロックスレイの顔をよく思い出せなくなっていた。親友だった彼女はいつも一番明るい場所に好んで座っていたものだが、その明るい緑の髪も、誇らしげな笑顔も、すべてが炎のような陽光に溶け込んでしまったかのようだった。

    ――ざらついた肌触りの手が、ホルンの顔をなでた。
    彼女が中庭のカエデの木の下で昼寝をしていると、いつも祖母がやってきては、うちわを扇いで日差しを遮り、虫を追い払ってくれたものだ。
    きっと自分はまだ夢の中にいるのだろう、といやに客観的な思考が巡り、目を開けずにおこうと彼女は思った。
    小さい頃のホルンは、よく祖母にくっついて、昔の軍での出来事や祖母のそのまた祖父のこと、そして歴代の「白狼」たちの功績などをしつこく聞いて回ったものだった。その頃の彼女は先祖たちのように、ヴィクトリアのために戦うことを夢見ていたのだ。
    しかし、いざ本当に戦争が起きた今、彼女が夢の中で聞いたのは祖母がうちわを扇いでくれる音だった。
    パサリ、パサリ、と一定のリズムで聞こえる力強い音には、睡眠そのものよりも癒やされるような心地がした。
    そうして、ついに彼女が目を開けると、申し訳なさそうに微笑むフェイストの姿が目に入った。自分の仕事で居眠りの邪魔をしたことが不本意だったらしい。
    そういえば、私の盾もそろそろメンテナンスが必要かもしれない、とホルンは思った。
    盾のほうへと目を下ろすと、一陣の風が吹き抜け、小さな花びらが舞って、まだらに摩耗した盾へと落ちる。
    どうやら彼女が背を預けていた木は、砲火に撃ち抜かれた今もなお、確かに息づいているようだ。

基地スキル

  • 軍事工学
    加工所で昇進素材を加工時、体力消費が4の素材の体力消費-1
  • DIY・熾合金
    加工所で上級熾合金を加工時、副産物の入手確率+100%