• Nearl the Radiant Knight
  • 耀骑士临光
  • 니어 더 래디언트 나이트

耀騎士ニアール

前衛タイプ — 勇士
敵を1体までブロック
  • KZ01
  • 近距離
  • 火力
その他の昇格:
/ 90
【コードネーム】ニアール
【性別】女
【戦闘経験】八年
【出身地】カジミエーシュ
【誕生日】4月23日
【種族】クランタ
【身長】171cm
【鉱石病感染状況】
メディカルチェックの結果、非感染者に認定。
【物理強度】優秀
【戦場機動】優秀
【生理的耐性】優秀
【戦術立案】優秀
【戦闘技術】卓越
【アーツ適性】優秀
カジミエーシュの耀騎士、ニアール。味方の援護、機動作戦、殲滅戦及び平野における作戦では高い戦闘技術と優れた個人軍事素養を見せている。
カジミエーシュに戻り、第二十四回騎士メジャー決勝戦でチャンピオンの座を奪い取った後、現地に残って残務の処理にあたっている。外部協力オペレーターとして、ロドス駐カヴァレリエルキ事務所に戦術的支援を提供するほか、必要時には本艦のサポートとして他地区の各種任務にあたることもある。
造影検査の結果、臓器の輪郭は明瞭で異常陰影も認められない。循環器系源石顆粒検査においても、同じく鉱石病の兆候は認められない。以上の結果から、現時点では鉱石病未感染と判定。

【源石融合率】0%
鉱石病の兆候は見られない。

【血液中源石密度】0.14u/L
ニアールは長期間の野外活動を行っていたが、今のところ感染リスクは低いままである。

実はこれ、ニアールさんの以前の検査結果なのですが……はい、ご本人にも閲覧権限が付与されました。ですが、もうとっくに真実を知っていたのではないでしょうか?いつ知ったのかは分かりませんが、彼女が少しも動揺していないみたいです。やっぱりニアールさんってすごい人なんですね。
――医療オペレーター ハイビスカス
【アーツ概要】
帰還した耀騎士は、かつてと同じく勇敢で頼りになる存在だった。だが、彼女の戦闘方式にはある程度の変化が見られた。メイン武器を変えたほか、アーツを治療以外でも運用するようになった。金色の光を纏う彼女のソードスピアは、戦場において、彼女と敵対する者たちにとっては間違いなく脅威となるだろう。
友人のシャイニングの言葉を借りると、「私たちとともに放浪していた日々の中で、ニアールさんは抑えるべき場所で輝きを抑えることを覚えました。そしてカジミエーシュに戻り、再び突き進み始めた耀騎士は、すべての雑念を放り捨て、ただあるがままにあることを体得したのです」ということである。
シャイニングやナイチンゲールだけでなく、ニアールとともに仕事したことがある他のオペレーターも彼女の変化に驚嘆したが、誰一人としてその変化に違和感を持つ者はいなかった。正義が邪悪と衝突しようと、せざるとに関わらず、両者が共に境界線に立つ限り、正義には鋭い刃が生まれるのだと、皆知っているからである。耀騎士の輝きに照らされる時、邪悪の者は痛みに焼かれるかもしれないが、正義の仲間はこれ以上ないほど鼓舞されるのである。

【武器鑑定】
ニアールが現在使用しているソードスピアは、かつて使用していたハンマーと同じく、ニアール家と親交のあるカジミエーシュの職人が設計、鍛造したもので、さらにブレミシャインによって強化されたのである。このソードスピアは血騎士との戦闘時に一度折れたが、ブレミシャインによって修復されている。
ロドスエンジニア部の鑑定によると、ニアールのソードスピアは、カジミエーシュ征戦騎士の制式武器に匹敵する強度を誇るだけでなく、ニアール本人のアーツにもこの上ない親和性を持つ。理想的な状況下では、彼女が放つアーツの効果をおおよそ十パーセントも向上させる。鑑定を担当したエンジニアが要請し、ニアールが武器設計者の同意を得たうえで、ロドスはソードスピアの1/6スケールの模型を作成した。この模型はエンジニア部に保存されており、各エンジニアオペレーター及び見習いたちの研究と勉学に役立っている。
補足:耀騎士のソードスピアの精密模型が大騎士領でいくらで値付けされるかは、決してクロージャに知られてはいけない。耀騎士とは、模型は一つしか作らないと約束したのだから。
ニアールは決して愚痴をこぼしたりしないが、カジミエーシュでの彼女の仕事は明らかに量も負担も大きいようだ。それでも、ロドス駐カヴァレリエルキ事務所からの救援要請には、一度も欠かさずに駆けつけていた。ロドス本艦に身を置いているか否かに関わらず、彼女はずっとロドスの一員であるという意識を持っているのだろう。
とはいえ、以前と比べれば本艦に滞在する時間は明らかに限られてしまっている。ニアールに憧れている者や、彼女と肩を並べて戦っていた時間を懐かしむオペレーターたちにとっては、実に残念と言わざるを得ない。チェルノボーグにおけるニアールの活躍が記された作戦記録を見て、多くの新人オペレーターが期待を抱いて彼女と手合わせがしたいと教官に願い出たが、彼女の長期離艦が告げられると、もれなく肩を落としたのだった。
一方、ニアールと違い、ブレミシャインはカジミエーシュでの姉の事業が軌道に乗り始めたと確認すると、本艦の工房に入り浸り、そのまま何日も帰らず滞在していた。ブレミシャインの失踪が数日に及んだ時、ニアールは「偶然」本艦に帰還し、迷いもせずとある最新防護素材実験作業場に直行し、そこでユーネクテスと一緒に汗を振りまきハンマーを叩き込んでいた妹を捕まえた。直後、ニアールは妹が自分のために新しい肌着型の防具を鍛造していると知った。
「今までのものより柔らくて薄くて、お姉ちゃんの普段着や正装の下にも着れるし、物理衝撃への耐性もすごく上がったの!Mechanistさんやソーナにも見てもらったけど、もうちょっと頑張れば、この防具、ラズライトの矢さえ一発受けきれるようになるんだって――」
眼の下にくっきりしたクマをつけながらも、生き生きと輝きに満ちた笑顔を前に、ニアールは身体を大事にしない妹を責めず、代わりに、彼女を強く抱きしめた。
ニアール本人の希望により、今回の面会記録は本資料に収録されることになった。自身のカジミエーシュでの行動は、苦難に生きる数多くのカジミエーシュ人の希望が乗せられているだけでなく、最愛の家族の未来も左右すると、忘れないようにするためだという。今の耀騎士は、もう独りで巨大な波に突撃するような存在ではないのだ。そして、ニアールはロドスに感謝の意も伝えた。ロドスでの生活が、マリアとゾフィアにどれほど大きな変化をもたらしたのかを、はっきりと見えたからだ――「ロドスに入ったばかりのころの、私のように。」
「もちろん、ニアールさんにも感謝しなければいけません。彼女がいなければ、ブレミシャインさんやウィスラッシュさんのような素晴らしいオペレーターを迎えることはできなかったでしょう。もちろん焔尾騎士やその他多くのカジミエーシュ出身のオペレーターたちも……耀騎士のカリスマ性そのものが、何よりも有効な求人広告ですからね!まあその一部の人たちが、耀騎士はいつ帰ってくるのか、帰ってきたら一度手合わせたいだなんて、ここに来てから毎日のように聞いてくることがなければ、なおいいですけどね。」――ある人事部オペレーターより
ニアールが第二十四回騎士メジャーで優勝に至る全過程を、ロドスは見届けてきた。舞台の表と裏で巡らされた謀略も、街の至る所でぶつかり合った刃と散らされた火花も、彼女が試合会場で流した血と汗とともに、特殊行動ファイルに事細かに記録された。このファイルを読んだ者も、ニアールと語り合ったことがある者も、きっとニアールのメジャーへの態度を誤解することはないだろう。六年の時を超えて目指した、二度目のチャンピオンへの道のりに横たわっていた困難、それを乗り越えるための苦労は計り知れないものだった。今の耀騎士は、規則という枷を突き破ろうとした過去の耀騎士と同じように、騎士競技がもたらす栄誉が真の栄光であると一度も認めていないのだ。
だが、この茶番はニアールからすれば、また別の意義を持っている。
「栄誉あると言い難い競技場においても、そこで迸った激情は栄誉足りるものだった。真実からほど遠いネオンライトに照らされた街並みでも、そこで生存のために集った友情は真実だった。栄光の欠片もないカメラが記録したものであっても、絶えずに上を目指し、己を鍛えてきた者たちは、栄光を受けるにふさわしいものだった。」
とある深夜に、ニアールはロドス本艦の室内でこれらの文字を綴った。木漏れ日と職人の都に身を置く友人が手紙を読んで、似合わないと自分のことを茶化すかもしれないと思いながら、独り笑みを浮かべた。
その次の日、ニアールは廊下で、「耀騎士!」と叫びながらサインを求めてくる、興奮した若いオペレーターに出くわした。耀騎士の二度目の優勝への道は多くの注目を浴びた。ロドスでも彼女のファンが多くいるため、本艦に戻る度にこのような状況は発生する。こういった興奮したファンは大体ドーベルマンなどの教官によって制止されるが、今回はドーベルマンの予想外に、ニアールは渡された試合中の写真を受け取り、その背面に一行の文字を書き込んだのだ――
「訓練に励め。――オペレーター・ニアール」。
もしサインによる鼓舞が若いオペレーターがその日励む理由となるなら、この場に限っては、彼女がチャンピオンへの挑戦の意味をその子が真に理解できたかどうかはもう重要ではないだろう。
ニアールがカジミエーシュで歩む道のりは、決して順調にはいかないだろう。ここ数年間様々な人と関わりを持った経験から、彼女は自らが直面している、あるいはいずれ立ち向かうだろう困難をはっきりと認識できている。また、シャイニング、ナイチンゲール及びその他のオペレーターと肩を並べて戦ってきた経験によって、時に他人との協力関係は事をより効率よく進めるために必要であるとも理解している。
レッドパイン騎士団諸君とともに努力した結果、ロドス駐カヴァレリエルキ事務所が無事に設立された。同時に、ニアールは感染者たちの生活を守る仕組み作りにも着手し始めた。計画を進めるために、彼女はカジミエーシュの社会システムへの超然とした態度を変え、監査会、そして商業連合会とそれぞれ異なる場面においてある程度の協力を行った。伝説のニアール家の一員として、そして二度にわたるメジャー優勝者として、ニアールはカジミエーシュにおける様々な協議の場で明確な価値を有している。それこそ、彼女がやり遂げたいすべての事、救いたいすべての命と同じように。「万物みなそれぞれの価値がある」というのが、今のカジミエーシュが奉じる唯一の信条である。ニアールは分銅のように繰り返し天秤に置かれて値を計られることを嫌ってはいるが、耀騎士が他人の目にどう映るかを気にしない。彼女が守りたいもの、そしてカジミエーシュに取り戻したいものは、天秤では計れないのだ。監査会や商業連合会とは、取引を行う関係ではない。彼女の事業に支援の手を伸ばしてくれるのなら、ニアールもその手を取る。そして彼女の進む道を邪魔する存在ならば、相手にソードスピアを振るう時には欠片の躊躇も持たないだろう。
「あの人はあたしたちとは違うのよ。大きな車輪を避ける時、あたしたちは足元の道を見ながら走るでしょ?でもあの人は、車輪なんて気にも留めないで、ぶつかって吹っ飛ばして一直線よ。あたしたちがついていけるか、あの人が通り過ぎたところにまともな道ができるかはともかくとして、檻をぶっ壊してくれた以上、少なくともそこから漏れてくる光が見えるんだもの。」――数度の協力の後、焔尾騎士による感心の言葉
そう、ニアールは感染者のために自身を顧みず奮闘するが、自分がどれほどの人間を助けられようと決して満足はしない。無数の理想主義者が時代という巨大な車輪に轢かれて我を見失い、他者を変えようとする中で自身までも変わってしまっているが、ニアールは常に、己の道を行く。何度も何度も、天をも覆う巨大な波に突進して行くのである。
【権限記録】
既に気付いているかもしれないが、世間で伝わるニアール家に関する情報の中には、マーガレット、マリア、ムリナール、ゾフィア、そして数年前に死去した祖父のことしか見られず、マーガレットとマリアの両親に関する内容はほぼ皆無である。
頼りになる情報源によれば、メジャー期間中にとあるパパラッチ紙がマーガレットの両親に関する報道を掲載した。その中ではただ「海外に赴き何年も帰還していないらしい」という曖昧な表現しか使わなかったにも関わらず、新聞は一夜のうちに回収、処分された。つまりニアール夫婦の行方が、カジミエーシュにとっては触れてはいけない機密であるということだろう。
姉妹との対話の中で、マリアは両親に対してほぼ印象がなく、マーガレットも彼らに関して十歳頃までの記憶しかないことが判明した。つまり、十数年前からニアール夫婦は既に失踪していただろう。マーガレットの記憶によれば、少女時代では祖父が世話をしてくれていたほか、征戦騎士もよく付き合ってくれたという。ということは、両親の失踪後、監正会は彼女一家の面倒をかなり見ていたのだ。この事実から、ニアール夫婦は高確率で、監正会が下したカジミエーシュに深く関わる重大な任務の中で失踪したと推測される。
彼らは今も生きているのだろうか?もし既に命を落としてしまったなら、一体どんな危険な事件がカジミエーシュからかのように優秀な征戦騎士たちを奪ったのだろうか?カジミエーシュの機密情報保管庫の中なら、その答えの一部は間違いなく存在するだろう。しかし、この件を持ち出すのは、我々と監正会の関係を考えると得策とはいえない。
君が望むのなら、この件に関しては引き続き注目しておこう。もしいつかニアール家の誰かがこの件を追うつもりなら、その者がマーガレットか否かにかかわらず、我々は快くサポートしよう。
HP
3750
攻撃力
1149
防御力
295
術耐性
0
配置コスト
19
攻撃間隔
1.5 秒
ブロック数
1
再配置時間
70 秒

素質

  • 「長夜の終わり」
    配置後、隣接4マス以内の敵全員に攻撃力の80%の確定ダメージを与え、3秒間スタンさせる
    直前に配置したオペレーターが【カジミエーシュ】に属する場合、追加でさらに1回ダメージを与える
  • 破暁
    攻撃時、敵の防御力を20%無視

スキル

設定で詳細一覧を有効にして、詳細データが表示されます。
  • 夜に灯る白焔
    自動回復自動発動
    必要SP
    60
    攻撃範囲拡大、攻撃力+70%、攻撃速度+50
    退場まで効果継続
    atk
    0.7
    attack_speed
    50

    「ブレイジング・サン」

    敵を2体までブロック
    HP
    6000
    攻撃力
    10
    防御力
    600
    術耐性
    20
    配置コスト
    0
    攻撃間隔
    1 秒
    ブロック数
    2
    再配置時間
    0 秒
  • 闇を払う暁光
    パッシブ
    継続時間
    27 秒
    パッシブ:配置可能数にカウントされない
    配置後、攻撃力+160%シールド4枚獲得
    効果時間終了後、自動的に撤退する。撤退後、次回までの再配置時間が+25%されるが、直前に配置したオペレーターが【カジミエーシュ】に属する場合、再配置時間延長効果を無効化する
    atk
    1.6
    times
    4
    respawn_time
    1.25
    nearl2_s_2[withdraw][combo].respawn_time
    1
    value
    0.25

    「ブレイジング・サン」

    敵を2体までブロック
    HP
    6000
    攻撃力
    10
    防御力
    600
    術耐性
    20
    配置コスト
    0
    攻撃間隔
    1 秒
    ブロック数
    2
    再配置時間
    0 秒
  • 大地を照らす烈陽
    自動回復手動発動
    初期SP
    25
    必要SP
    40
    継続時間
    25 秒
    隣接4マス範囲内の地上配置可能マスに「ブレイジング・サン」を1本召喚し、その隣接4マス以内の敵全員に耀騎士ニアールの攻撃力の110%の確定ダメージを与え、3秒間スタンさせる
    自身の攻撃範囲拡大、攻撃力+140%、防御力+100%、自身もしくは「ブレイジング・サン」にブロックされている敵への通常攻撃が確定ダメージを与えるようになる
    atk
    1.4
    def
    1
    value
    1.1
    value2
    3

    「ブレイジング・サン」

    敵を2体までブロック
    HP
    6000
    攻撃力
    10
    防御力
    600
    術耐性
    20
    配置コスト
    0
    攻撃間隔
    1 秒
    ブロック数
    2
    再配置時間
    0 秒
    「ブレイジング・サン」
    パッシブ
    配置後、隣接4マス内の敵全員に耀騎士ニアールの攻撃力の110%の確定ダメージを与え、3秒間スタンさせる
    直前に配置したオペレーターが【カジミエーシュ】に属する場合、追加でさらに1回ダメージを与える
    atk_scale
    1.1
    stun
    3

モジュール

  • ORIGINAL
    耀騎士ニアールの記章
    耀騎士ニアールはソードスピアを用いた戦場への切り込みに秀でている。
    外勤部門の決定に基づき
    外勤任務においては前衛オペレーターとして区分し、勇士の責務を担う。
    特別に本記章を授与し、
    その証明とする。
  • DRE-X
    ブレイジングブレイド
    STAGEステータス強化説明
    1
    • HP +230
    • 攻撃力 +70
    勇士の特性
    敵を1体までブロック
    ブロックされている敵を攻撃時、攻撃力が115%まで上昇
    2
    • HP +290
    • 攻撃力 +95
    破暁
    攻撃時、敵の防御力を25%無視
    3
    • HP +330
    • 攻撃力 +105
    破暁
    攻撃時、敵の防御力を28%無視
    木製のソードスピアを手に、全身に防具を纏ったマーガレットは、精神を集中させて男と対峙している。
    男は手中の木剣を軽く揺らしていた。まったく敵意があるように見えないが、ひとたびこちらの気が緩めば木剣はソードスピアをくぐり抜けて、自分の頭をポンッと叩いてくるだろうことをマーガレットは知っている。
    ソードスピアのリーチの優位を生かして、マーガレットは攻撃の糸口を探り続けた。いつものように、男はすぐに隙を作ってみせてきて、マーガレットは機を逃さずにソードスピアを繰り出した。「よくやった、マーガレット」槍の勢いを殺しきれないふりをして地面に転がったスニッツ・ニアールは、仰向けになると娘に親指を立てて見せた。
    「父上……」
    剣術を学び始めてから、マーガレットが打ち合い稽古で父に一撃与えたことはほとんどなかった……
    「私の剣は、届いたのでしょうか?」
    「ああ。届いたとも、マーガレット」
    「というわけで、手を貸してくれるか?」
    「は、はい、申し訳ありません、父上」マーガレットは急いでソードスピアを置くと、両手で父の片手を掴み、全力で引っ張り起した。
    「すごいわ、仔馬ちゃん。もうお父さんもやっつけられるようになったのね」
    おくるみに包まれたマリアを連れて、母ヨランタが訓練場の入り口に姿を見せた。
    「わはは、槍を突き出した時のあの気迫をお前にも見てほしかったよ」

    「母上、どうしてこちらに?」
    すでに夜も遅いはずなのに、母は外出着を着こんで荷物を背負い、今にも遠出しそうな装いをしていた。
    「そろそろ時間よ、スニッツ。早く準備してちょうだい」
    「わかった、五分間くれ」
    父が訓練用の防具を脱ぐと、その下の甲冑が露わになった。
    「父上、母上、どちらに行かれるのですか?」
    「すまんな、マーガレット。言えないんだ」
    「北にお土産でも買いに行ったと思ってちょうだい」
    「長く、なるのでしょうか」
    「そうだな……」マーガレットの父はしばし考えこみ、「少しかかるだろう」と答えた。
    「だからね、マーガレットに少しお願いをしてもいいかしら?」
    「もちろんです、母上。私にできることでしたら、何でもやります!」
    「まずは……」母は身をかがめ、すやすやと眠るマリアをマーガレットに抱かせた。「妹とおじいちゃんのお世話をお願いね」
    この時のマリアは幼いマーガレットにも軽々と持ち上げられる重さだったが、受け止めたマーガレットは妹が腕から滑り落ちないようにとても気を遣っていた。
    「それと、剣の鍛錬で困ったことがあったら叔父さんに頼るといい。お父さんよりもずっと経験豊かだからな」
    「はい、父上……」
    ……
    「他に何かあったかしら?」
    「大体こんなもんだろう」
    コン、コン、コン――
    誰かがノックをしている。
    一回ごとに心臓が跳ね、まるでそこを直接叩かれているようで、彼女は恐怖を覚えた。父と母がどこかへ行ってしまう。
    父はソードスピアを背負い、母は弓やクロスボウの用意を整えた。マーガレットは二人の後について門へと向かった。
    ドアを開けると、銀色の鎧を纏った征戦騎士が二人そこに立っていた。
    マーガレットには、その二人が人を頭からかじる怪獣のように見えた。
    「スニッツ閣下、ヨランタ閣下。お二人が大騎士領を離れるための護衛を務めさせていただきます」
    両親は小さな声でそれに応え、マーガレットへと振り向いた。
    スニッツはマーガレットとマリアとぎゅっと抱きしめた。
    ヨランタは二人の頬にキスを残した。
    そして、マーガレットは家の門前に佇み、遠さがっていく父と母を見送った。
    ずっと、父と母が急に振り返って、嘘だよ本当はどこにも行かないよと言ってくれるのではないかと期待していた。
    門の外で二人を見送る叔父が、二人をあたたかい我が家へと連れ戻してくれるのを期待していた。
    上の階で病床に就いている祖父が飛び出してきて、話の通じない征戦騎士を追い払うことも期待してしまった。
    だけど、マーガレットの期待はどれも期待のままで終わった。
    彼女が誇り、彼女の太陽たちは、大騎士領の地平線に沈み、どんなに目を凝らしても二度と昇ってくる姿を見ることはなかった。
    マーガレットは心の中が空っぽになってしまったような気がした。
    マーガレットにできるのは、家のドアを閉めて、腕の中の妹を抱きしめること。
    ただそれだけしかなかった。
  • DRE-Y
    「騎士の一族」
    STAGEステータス強化説明
    1
    • 攻撃力 +65
    • 防御力 +30
    勇士の特性
    敵を1体までブロック
    致命的なダメージを受けても撤退せず、最大HP-60%、HPが全回復して、攻撃速度+30(1回の配置につき、1回のみ発動可能)
    2
    • 攻撃力 +79
    • 防御力 +38
    「長夜の終わり」
    配置後、および初めて致命的なダメージを受けたとき、隣接4マス内の敵全員に攻撃力の80%の確定ダメージを与え、3秒間スタンさせる。直前に配置したオペレーターが【カジミエーシュ】に属する場合、追加でさらに1回ダメージを与える
    3
    • 攻撃力 +90
    • 防御力 +45
    「長夜の終わり」
    配置後、および初めて致命的なダメージを受けたとき、隣接4マス内の敵全員に攻撃力の100%の確定ダメージを与え、4秒間スタンさせる。直前に配置したオペレーターが【カジミエーシュ】に属する場合、追加でさらに1回ダメージを与える
    これまでもそうだったように、我々は皆影に身を置いている。
    真夜中、バーのさほどまぶしくない照明だけが耀騎士の顔を照らしていた。出会ったばかりのころを思い返してみれば、これほど穏やかで柔らかな表情をした彼女を見ることなどそうそうなかったはずだ。そのことは、私とリズさんが誰よりもよく知っている。騎士の膝の上ではその妹が時々寝言を口にしながら眠っていた。妹を起こしてしまわないようにと、彼女はできるだけ物音を立てずに、何年も会えていなかった家族をじっと見守っている。ウィスラッシュ――ゾフィアさんは姉妹の邪魔をしないように、ニアールさんの尻尾と髪をとかしていた。耀騎士の毛髪には血が付いている。その血は影から現れた者が残していったのだが、そんな影の中の反響もこの静かなバーまで踏み込むことはできないだろう。
    リズさんは少し眠そうに見えるが、休もうとはしなかった。私たちは耀騎士に、ロドスのオペレーター・ニアールに、そしてマーガレットに話したいことがたくさんあるのだ。幸か不幸か、私はそうした彼女の側面をどれもよく知っていた。
    このような日がいつかやってきてしまうことはわかっていたし、それ故に、少しばかりの不安と名残惜しさを抱き続けていた。
    私たちは真の意味で離ればなれになるわけではないことは理解している。けれど、私たちがそれぞれ立ち向かうべきものは、それぞれが大きくかけ離れていた。
    マリアさんが目を覚まし、姉のそばで眠ってしまったことに気付いて少し顔を赤らめた。ゾフィアさんはそれをからかいながらも、姉妹があまり身だしなみに気を遣わないことに小言を言う。ゾフィアさんはニアールさんよりも少し小柄で、ニアールさんを見る時は無意識にやや見上げる格好になるので、少し大変そうに感じた。失礼は承知だが、私はどうしても、耀騎士を前にした彼女の表情を観察してしまう。彼女は、耀騎士には負けたくないと思うこともあるのだろうか?それとも、共に肩を並べて戦うことを望んでいるのだろうか?あるいは、自身の理想と信念を、この具現化された騎士の化身に託そうとしているのだろうか?
    そして――私自身は、マーガレットさんをどう見ているのだろう?使徒の……同行者としてだろうか?私たちは苦難を分かち合い、互いにすべてをさらけ出してきた。私たちは……
    その時、マーガレットさんが私の肩を叩いた。彼女のほうも、ずっと私に話したかったことがあるという。彼女は故郷に、カジミエーシュに、彼女の出発地点に戻ってきた。しかし、私たちの出発地点はこの地にはなく、それはカズデルに、サルゴンに、ロンディニウムに存在している……私たちの罪悪と苦難は、ここにはないのだ。だからこそ、彼女の光に導かれて立ち上がった人々が闇夜を見上げたとき、それがどんな光景に映るのか、強く興味がそそられた。
    そうしてふと、残念な気持ちがこみ上げてきた――私はかねてより自らの血脈を憎んでおり、血縁というものの美しさを、家というものの意義を味わったことがない。一方で彼女にとっては、そうしたものを持つことこそが当然のことだった。祝福され、注目されるべき存在として彼女はそこにいた。私はその中に加わるには相応しくない。自らの道を見つけるべきなのだ。しかるのちに、彼女の輝きは必ずやその肉体という高塔を離れ、私たちがかつて荒野で、戦場で、そしてロドスで交わした数多の約束を果たしていくことだろう。
    だからこそ私は余計な言葉を交わさずに、ただ黙って微笑みを返したのだ。
    聴罪師の罪悪の原点は、純粋な闇ではない。光はすでに予言されていた。
    我々は皆影に身を置いている。我々の影の神託が、各々異なるにも関わらず。
    マーガレットさんがバーの扉を押し開け、何気なくこう言った。
    騎士たるもの、自らを直視し、見つめ直し、律すべきものを律し、自らの光とならねばならない。己に光が灯されれば、いかなる者であれ、己が影にまとわりつかれてなどいなかったことに気付くだろう――と。

基地スキル

  • 騎士訓練
    訓練室で協力者として配置時、基地に配置された(補佐を除く)騎士オペレーター1人につき、訓練速度+5%(最大5人まで)
    グランド・オーダー
    訓練室で協力者として配置時、基地に配置された(補佐を除く)騎士オペレーター1人につき、訓練速度+5%(最大8人まで)