
- Wanqing
- 万顷
- 완칭
ワンチィン
先鋒タイプ — 旗手
スキル発動中、ブロック数が0になる
- YD13
- 近距離
- COST回復
- 支援
ボーナスを含む
【コードネーム】ワンチィン
【性別】男
【戦闘経験】なし
【出身地】炎国
【誕生日】5月6日
【種族】フォルテ
【身長】170cm
【鉱石病感染状況】
メディカルチェックの結果、非感染者に認定。
【性別】男
【戦闘経験】なし
【出身地】炎国
【誕生日】5月6日
【種族】フォルテ
【身長】170cm
【鉱石病感染状況】
メディカルチェックの結果、非感染者に認定。
【物理強度】標準
【戦場機動】標準
【生理的耐性】優秀
【戦術立案】普通
【戦闘技術】標準
【アーツ適性】優秀
【戦場機動】標準
【生理的耐性】優秀
【戦術立案】普通
【戦闘技術】標準
【アーツ適性】優秀
本名禾生(ホーシェン)。炎国天師府の学生であり、農業天師を務めている。大荒城にて、複数の作物育種実験で大きな成果をあげた。シュウの紹介によりロドスに訪れ、研究交流の傍らで支援オペレーターを兼任している。
造影検査の結果、臓器の輪郭は明瞭で異常陰影も認められない。循環器系源石顆粒検査においても、同じく鉱石病の兆候は認められない。以上の結果から、現時点では鉱石病未感染と判定。
【源石融合率】0%
鉱石病の兆候は見られない。
【血液中源石密度】0.12u/L
源石へ接触する際には万全の防護措置をとっている。
【源石融合率】0%
鉱石病の兆候は見られない。
【血液中源石密度】0.12u/L
源石へ接触する際には万全の防護措置をとっている。
ロドスで農作経験のあるオペレーターは少なくない。それでも、農業の研究に本格的に携わっている学者という存在は、皆の関心を引いた。
「一年中、田んぼで屈んで土を耕してるの?」
「収穫の時期になると、小さい子からお年寄りまで、みんなで鎌を持って、果てが見えないほど広い田んぼで一日中ずっと稲を刈ってるって聞いたけど、本当なの?」
皆から同情と尊敬に満ちた視線を向けられたワンチィンは、少し照れくさそうに頭を掻きながら、大真面目に説明してくれた――大荒城は炎国の中でも最先端の農業研究が行われる最重要拠点であり、農業生産のプロセスは基本的にすべて機械化されている。種まきから収穫、施肥から農薬散布まで、すべて源石機械が行っており、年間を通して人手の介入を全く必要としない水田さえあるとのことだ。話しながら、ワンチィンは持ち歩いているいくつかの天師儀を取り出した。そして、見たこともないような高確度の農業源石装置を次々と解説してくれただけでなく、彼自身が考案した、「天杭」を使った非常に難易度の高いドローンショーも披露してくれたのだった……
炎国は古くから農業の生産性を重要視してきた。一粒の小さな種が、何千万という人々の生活の基礎となる。だからこそ、ワンチィンのような農業を専門的に研究する天師が誕生し、より効率的な栽植方法や、より優れた作物の品種を開発するために、絶え間なく研究を続けているのだ。しかし、先進的な設備の助力があるからといって、農業研究が容易になるわけではない。水田で条件に合う苗をひと株ずつ選別する作業や、源石機械のない辺鄙な地域の農作環境のシミュレーションは、どちらも肉体労働が避けられない。それらがどれほど大変な作業であるかは、まだ若いワンチィンのがっしりとした腕や、手袋越しでも分かるほどに盛り上がったタコから伺えるだろう。大荒城の農業天師たちは、そのような作業を一年また一年と繰り返しているのだ。そして、栽培した中で最も優良な種を全国各地に送り出して、それがしっかりと根を張り、芽を出すことを心から願っているのである。
自らの仕事に誇りを抱いているのかと聞かれた時、ワンチィンは決まって恥ずかしそうに顔を赤らめて答えるのだ。
「水田仕事をする最中は、他のことを考えたりする余裕がないんですが……ただ、豊作の水田を見てるとすごく嬉しいし、みんながお腹いっぱい食べられることは僕にとって何よりの幸せです。」
「一年中、田んぼで屈んで土を耕してるの?」
「収穫の時期になると、小さい子からお年寄りまで、みんなで鎌を持って、果てが見えないほど広い田んぼで一日中ずっと稲を刈ってるって聞いたけど、本当なの?」
皆から同情と尊敬に満ちた視線を向けられたワンチィンは、少し照れくさそうに頭を掻きながら、大真面目に説明してくれた――大荒城は炎国の中でも最先端の農業研究が行われる最重要拠点であり、農業生産のプロセスは基本的にすべて機械化されている。種まきから収穫、施肥から農薬散布まで、すべて源石機械が行っており、年間を通して人手の介入を全く必要としない水田さえあるとのことだ。話しながら、ワンチィンは持ち歩いているいくつかの天師儀を取り出した。そして、見たこともないような高確度の農業源石装置を次々と解説してくれただけでなく、彼自身が考案した、「天杭」を使った非常に難易度の高いドローンショーも披露してくれたのだった……
炎国は古くから農業の生産性を重要視してきた。一粒の小さな種が、何千万という人々の生活の基礎となる。だからこそ、ワンチィンのような農業を専門的に研究する天師が誕生し、より効率的な栽植方法や、より優れた作物の品種を開発するために、絶え間なく研究を続けているのだ。しかし、先進的な設備の助力があるからといって、農業研究が容易になるわけではない。水田で条件に合う苗をひと株ずつ選別する作業や、源石機械のない辺鄙な地域の農作環境のシミュレーションは、どちらも肉体労働が避けられない。それらがどれほど大変な作業であるかは、まだ若いワンチィンのがっしりとした腕や、手袋越しでも分かるほどに盛り上がったタコから伺えるだろう。大荒城の農業天師たちは、そのような作業を一年また一年と繰り返しているのだ。そして、栽培した中で最も優良な種を全国各地に送り出して、それがしっかりと根を張り、芽を出すことを心から願っているのである。
自らの仕事に誇りを抱いているのかと聞かれた時、ワンチィンは決まって恥ずかしそうに顔を赤らめて答えるのだ。
「水田仕事をする最中は、他のことを考えたりする余裕がないんですが……ただ、豊作の水田を見てるとすごく嬉しいし、みんながお腹いっぱい食べられることは僕にとって何よりの幸せです。」
炎国において、「天師」とは地位が高く、重大な責任を背負う職業である。エリート階級である天師に名を連ねたいのならば、天師府による厳しい考校試験を通過せねばならない。
天師府の試験の参加者には、突出したアーツの才能に加え、十分な専門知識も求められている。ワンチィンはわずか十五歳で天師府の考校試験を優秀な成績で通過し、特例としてベテランの農業天師であるシュウの生徒となった――これほど優秀な成績を叩き出した前例は、炎国全体を見ても数えるほどしかいない。このような特別な待遇を与えるのは不公平ではないかと疑問を抱く者もいたが、ワンチィンの天師府での活躍ぶりはそんな声をたちまち打ち消した。彼は複数の科目で上位の成績を収めただけでなく、初めての育種実験でいきなり驚くべき成果を挙げたのだ。天師府に入学してから三年が経つ頃には、ワンチィンは指導天師の仕事を一部引き受けるまでになっていた。
ワンチィンは、神童と呼ばれるようなタイプではない。むしろ新しい物事を習得するのに、他人よりも時間がかかることがほとんどだ。ロドスの授業を受講した際にも、この傾向が見られた。あの優しいシュウをして「あの子はいつも周りよりも一拍遅れて考え出すし、体が頭に追いつくのにさらにもう一拍かかるわね」と評したほどだ。それにも関わらず、ワンチィンが輝かしい成績を収めることができているのは、常人離れした集中力のおかげだろう。彼にとって、何か新しい物事を始めた際に問題にぶつかったなら、考えるべきはその解決方法だけだ。抜け道があるかどうか、もし解決できなければどうなってしまうのかなどは、一切考慮すべき範疇には入っていない。言葉にすれば簡単なように感じるが、実際、結果を考えずに行動することはとても難しい。「一歩進む時は三歩先を見据える」なんてことわざが炎国にあるように、人間とはついつい後先のことを考えて、万が一に備えた退路を用意するものだ。それもまた、知恵がもたらす本能である。しかし、最初に目指していたゴールに到達できるのは、往々にしてただひたむきに進み続けた者だけなのだ。
「まだ人々が、手作業で刈り入れをしなければいけなかった頃、経験豊富な農民は若者に、決して顔を上げてはいけないと真剣に言い聞かせたものです。地平線まで続く水田を見れば、誰でも怖気づくでしょう。しかし、手にした作物だけに集中すれば、刈り取るべきものは目の前の一本だけになります。」と、ワンチィンは自身の経験を共有してくれた。その真面目な表情からは、驕りなど微塵も感じられない。
「目の前のことに集中できるのは、確かに得難い長所だけど、さすがに時と場合ってものがあるでしょ。この前、ワンチィンがうっかり自動ドアにぶつかって壊しちゃったんですけど、何も言わずにすぐにその場で修理を始めたんです……他の人が気付いた時には、もうドアの前で丸一日作業しっぱなしだったらしくて……次に似たようなことがあったら、声をかけるなり手伝ってあげるなりしてくれませんか?でないと、いつか餓死するんじゃないか本当に心配なんです……」
天師府の試験の参加者には、突出したアーツの才能に加え、十分な専門知識も求められている。ワンチィンはわずか十五歳で天師府の考校試験を優秀な成績で通過し、特例としてベテランの農業天師であるシュウの生徒となった――これほど優秀な成績を叩き出した前例は、炎国全体を見ても数えるほどしかいない。このような特別な待遇を与えるのは不公平ではないかと疑問を抱く者もいたが、ワンチィンの天師府での活躍ぶりはそんな声をたちまち打ち消した。彼は複数の科目で上位の成績を収めただけでなく、初めての育種実験でいきなり驚くべき成果を挙げたのだ。天師府に入学してから三年が経つ頃には、ワンチィンは指導天師の仕事を一部引き受けるまでになっていた。
ワンチィンは、神童と呼ばれるようなタイプではない。むしろ新しい物事を習得するのに、他人よりも時間がかかることがほとんどだ。ロドスの授業を受講した際にも、この傾向が見られた。あの優しいシュウをして「あの子はいつも周りよりも一拍遅れて考え出すし、体が頭に追いつくのにさらにもう一拍かかるわね」と評したほどだ。それにも関わらず、ワンチィンが輝かしい成績を収めることができているのは、常人離れした集中力のおかげだろう。彼にとって、何か新しい物事を始めた際に問題にぶつかったなら、考えるべきはその解決方法だけだ。抜け道があるかどうか、もし解決できなければどうなってしまうのかなどは、一切考慮すべき範疇には入っていない。言葉にすれば簡単なように感じるが、実際、結果を考えずに行動することはとても難しい。「一歩進む時は三歩先を見据える」なんてことわざが炎国にあるように、人間とはついつい後先のことを考えて、万が一に備えた退路を用意するものだ。それもまた、知恵がもたらす本能である。しかし、最初に目指していたゴールに到達できるのは、往々にしてただひたむきに進み続けた者だけなのだ。
「まだ人々が、手作業で刈り入れをしなければいけなかった頃、経験豊富な農民は若者に、決して顔を上げてはいけないと真剣に言い聞かせたものです。地平線まで続く水田を見れば、誰でも怖気づくでしょう。しかし、手にした作物だけに集中すれば、刈り取るべきものは目の前の一本だけになります。」と、ワンチィンは自身の経験を共有してくれた。その真面目な表情からは、驕りなど微塵も感じられない。
「目の前のことに集中できるのは、確かに得難い長所だけど、さすがに時と場合ってものがあるでしょ。この前、ワンチィンがうっかり自動ドアにぶつかって壊しちゃったんですけど、何も言わずにすぐにその場で修理を始めたんです……他の人が気付いた時には、もうドアの前で丸一日作業しっぱなしだったらしくて……次に似たようなことがあったら、声をかけるなり手伝ってあげるなりしてくれませんか?でないと、いつか餓死するんじゃないか本当に心配なんです……」
ロドスでオペレーターとして登録をした際、ワンチィンはほぼ迷うことなく自分のコードネームを決めた。
大荒城では、農業の様々な問題を解決すべく、複数の育種実験プロジェクトを構えている。それらの実験によって栽培された作物は問題点にちなんだ品種名が付けられる。例えば、寒冷地域に適した作物なら凍てつく極寒に抗うという意味を持つ「抗凍」と名付けられ、その後の研究で特性に目立った進展があれば、「抗凍二号」と命名される。他にも、成長が早い「早優」、水害に強い「防澇」、強風でも倒れない「吹不倒」、虫害に強い「餓死虫」など……これらのストレートな命名には、それぞれ率直な願いが込められている。その中でも、広大な田水田を意味する「万頃(ワンチィン)」はことに特別な研究である。
古くから人々は、生存のために天災と土地を奪い合ってきた。天災は人々の住処や水田を破壊する。一度源石に汚染されてしまった土地では、再び作物を育てるのが非常に困難となる。そのため昔は、天災の発生がしばしば大飢饉の発端となっていた。移動都市が発明されて以降、多くの農業学者は、移動区画での食料生産率を高める研究に重きを置いてきた。しかし大荒城天師府の一部の天師は、今もなお源石耐性の高い作物の品種改良を絶えず試みている。今まで無数の学者が、そんなことは不可能であると結論を下してきたにも関わらずだ。
移動区画の面積には結局限りがある。そのため、この困難を極める研究で成果をあげることこそが、より多くの土地を利用可能にして、炎国に住む人々の腹を満たす唯一の方法であると、大荒城の天師たちは信じている。代々の天師たちの努力によって、改良された作物の源石活性率への耐性は一番初めの5から15パーセント、そして26パーセントまで上がっていった。実験データの数値は、小数点単位では緩やかに上昇し続けてはいるが、その速度は実験に費やされた時間と全く釣り合っていないように感じる。この研究が真に世間一般に普及されるのはまだ遥か先のことだ。そして、研究に参加している天師にとっては、生涯をかけたところで目立った成果をあげることもできなければ、自身の名を書籍に残すこともできないのかもしれない……
ワンチィンもまさに、そのような数多くいる無名の天師の一人なのだ。
「実験の成果を見れないまま終わってしまうのが怖くないかと、聞かれたことがあります。昔はそれを怖いと思っていました……だって、何かを始めたのなら、結果を出してこそ、自分は何かを成し遂げられたことになるのですから……だけど、そのうちやっと分かったんです。人の一生はあまりにも短いのに、歩むべき道はあまりにも長い。だから結果を残すには、必ず決まったどこかにたどり着かなければいけないわけではありません。歩んできた道のり、そして残した足跡すべてが、結果なんです。」
大荒城では、農業の様々な問題を解決すべく、複数の育種実験プロジェクトを構えている。それらの実験によって栽培された作物は問題点にちなんだ品種名が付けられる。例えば、寒冷地域に適した作物なら凍てつく極寒に抗うという意味を持つ「抗凍」と名付けられ、その後の研究で特性に目立った進展があれば、「抗凍二号」と命名される。他にも、成長が早い「早優」、水害に強い「防澇」、強風でも倒れない「吹不倒」、虫害に強い「餓死虫」など……これらのストレートな命名には、それぞれ率直な願いが込められている。その中でも、広大な田水田を意味する「万頃(ワンチィン)」はことに特別な研究である。
古くから人々は、生存のために天災と土地を奪い合ってきた。天災は人々の住処や水田を破壊する。一度源石に汚染されてしまった土地では、再び作物を育てるのが非常に困難となる。そのため昔は、天災の発生がしばしば大飢饉の発端となっていた。移動都市が発明されて以降、多くの農業学者は、移動区画での食料生産率を高める研究に重きを置いてきた。しかし大荒城天師府の一部の天師は、今もなお源石耐性の高い作物の品種改良を絶えず試みている。今まで無数の学者が、そんなことは不可能であると結論を下してきたにも関わらずだ。
移動区画の面積には結局限りがある。そのため、この困難を極める研究で成果をあげることこそが、より多くの土地を利用可能にして、炎国に住む人々の腹を満たす唯一の方法であると、大荒城の天師たちは信じている。代々の天師たちの努力によって、改良された作物の源石活性率への耐性は一番初めの5から15パーセント、そして26パーセントまで上がっていった。実験データの数値は、小数点単位では緩やかに上昇し続けてはいるが、その速度は実験に費やされた時間と全く釣り合っていないように感じる。この研究が真に世間一般に普及されるのはまだ遥か先のことだ。そして、研究に参加している天師にとっては、生涯をかけたところで目立った成果をあげることもできなければ、自身の名を書籍に残すこともできないのかもしれない……
ワンチィンもまさに、そのような数多くいる無名の天師の一人なのだ。
「実験の成果を見れないまま終わってしまうのが怖くないかと、聞かれたことがあります。昔はそれを怖いと思っていました……だって、何かを始めたのなら、結果を出してこそ、自分は何かを成し遂げられたことになるのですから……だけど、そのうちやっと分かったんです。人の一生はあまりにも短いのに、歩むべき道はあまりにも長い。だから結果を残すには、必ず決まったどこかにたどり着かなければいけないわけではありません。歩んできた道のり、そして残した足跡すべてが、結果なんです。」
今の我々にとって、「飢餓」という言葉はもはや少しばかり遠い存在となっているかもしれない。
「飢餓」とは、食堂の営業時間に間に合わず、次の食事まで我慢しなければいけない状況や、厳しい任務に就いていてきちんと時間通りに三食をとれないような状況のことではない。長期間にわたって十分な食事をとれないことによって引き起こされる、苦痛と絶望のことを指している。これは我々には想像すらできない感覚である。それはワンチィンにとっても変わらない。だが、彼は教科書に載っている飢饉に関する記述や、現地で撮影された被災者たちの写真を見た時、心臓を掴まれるような感じがした。
ワンチィンは、城外に流れる大きな川の上流にある廃墟と化した村――おそらく自身の「故郷」である可能性が一番高い村――を訪ねたことがあった。自分の産みの親も、存在していたかもしれない他の家族も全員被災者であり、自分には想像もつかないほどの苦痛を味わったことを、彼は知っている。
ワンチィンは幸運だった。ある日、二歳にも満たない幼子は木桶に入れられ、風と川によって大荒城まで届けられた。彼はまるで風に乗った種のように、ちょうどあの田んぼに流れ着き、幸運にも生き延びることができた。後になって農民たちが彼に教えてくれたのだが、ワンチィンが大荒城に流れ着いたのは、数年続いた不作を経たあとの、予想外の豊作の年だったのだという。彼はそのまま大荒城に引き取られ、心優しい農民たちに育てられた。今日は東側にある誰かの家で食事をし、明日は西にある誰かの家で夜を過ごす。凧を引きながらあぜ道の間を駆け抜けたり、ビニールハウスの中を縦横無尽に走り回ったり……そうやって、彼は大荒城で生まれた子供たちと同じように育った。ワンチィンは口下手ではあるが、受け取ってきた数々の優しさは一つずつすべてしっかりと彼の心に刻み込まれている。その後、ワンチィンは拾われた年の立夏の日を自身の誕生日にした。そこから十数年の時が流れ、まるで運命に導かれたかのように、ワンチィンは幼い自分が流れ着いた田んぼの中で、ある稲を拾った。周りの稲が倒れてなお堂々と生き残り、かつ今までの研究データを飛躍させるほど高い源石耐性を持っていたのである。
今、ワンチィンは自らが改良した種を炎国の各地へ届けるために、再び長い旅に出た。風が吹き、種が舞い落ちる場所に、必ず希望はある。
「飢餓」とは、食堂の営業時間に間に合わず、次の食事まで我慢しなければいけない状況や、厳しい任務に就いていてきちんと時間通りに三食をとれないような状況のことではない。長期間にわたって十分な食事をとれないことによって引き起こされる、苦痛と絶望のことを指している。これは我々には想像すらできない感覚である。それはワンチィンにとっても変わらない。だが、彼は教科書に載っている飢饉に関する記述や、現地で撮影された被災者たちの写真を見た時、心臓を掴まれるような感じがした。
ワンチィンは、城外に流れる大きな川の上流にある廃墟と化した村――おそらく自身の「故郷」である可能性が一番高い村――を訪ねたことがあった。自分の産みの親も、存在していたかもしれない他の家族も全員被災者であり、自分には想像もつかないほどの苦痛を味わったことを、彼は知っている。
ワンチィンは幸運だった。ある日、二歳にも満たない幼子は木桶に入れられ、風と川によって大荒城まで届けられた。彼はまるで風に乗った種のように、ちょうどあの田んぼに流れ着き、幸運にも生き延びることができた。後になって農民たちが彼に教えてくれたのだが、ワンチィンが大荒城に流れ着いたのは、数年続いた不作を経たあとの、予想外の豊作の年だったのだという。彼はそのまま大荒城に引き取られ、心優しい農民たちに育てられた。今日は東側にある誰かの家で食事をし、明日は西にある誰かの家で夜を過ごす。凧を引きながらあぜ道の間を駆け抜けたり、ビニールハウスの中を縦横無尽に走り回ったり……そうやって、彼は大荒城で生まれた子供たちと同じように育った。ワンチィンは口下手ではあるが、受け取ってきた数々の優しさは一つずつすべてしっかりと彼の心に刻み込まれている。その後、ワンチィンは拾われた年の立夏の日を自身の誕生日にした。そこから十数年の時が流れ、まるで運命に導かれたかのように、ワンチィンは幼い自分が流れ着いた田んぼの中で、ある稲を拾った。周りの稲が倒れてなお堂々と生き残り、かつ今までの研究データを飛躍させるほど高い源石耐性を持っていたのである。
今、ワンチィンは自らが改良した種を炎国の各地へ届けるために、再び長い旅に出た。風が吹き、種が舞い落ちる場所に、必ず希望はある。
天師府の伝統のひとつに、拝師の礼というものがある。考校試験を通過した若い生徒が、正式に先達となる天師の門下に入る時、必ず執り行う儀式のことだ。規模の大きさは、導師となる天師の性格によって様々だが、シュウの場合は、ただ青々とした稲苗を一株、ワンチィンに渡しただけだった。
「昔は門生をとる時は三跪九叩頭の礼が必要だったけど、今はそういうのをさせるのもどうかと思うのよね。この苗をあげるから、自分で田んぼに植えておいで。それで拝師の礼は終わりよ。私から教えられることは多くはないわ。あなたが学ぶべき知識は全て、結局はこの田んぼから教わることになるから。」
ワンチィンはその言葉を完全には理解できなかったが、それでも恭しく腰を屈め、苗を土壌に挿し込んだ。そして、背筋を伸ばした時、彼の目に飛び込んできたのは、どこまでも続く豊かな田水田と、心安らぐ一面の緑だった。
その瞬間から、彼はこの場所に根を下ろした。
「昔は門生をとる時は三跪九叩頭の礼が必要だったけど、今はそういうのをさせるのもどうかと思うのよね。この苗をあげるから、自分で田んぼに植えておいで。それで拝師の礼は終わりよ。私から教えられることは多くはないわ。あなたが学ぶべき知識は全て、結局はこの田んぼから教わることになるから。」
ワンチィンはその言葉を完全には理解できなかったが、それでも恭しく腰を屈め、苗を土壌に挿し込んだ。そして、背筋を伸ばした時、彼の目に飛び込んできたのは、どこまでも続く豊かな田水田と、心安らぐ一面の緑だった。
その瞬間から、彼はこの場所に根を下ろした。
HP
1616
攻撃力
514
防御力
425
術耐性
0
配置コスト
13
攻撃間隔
1.3 秒
ブロック数
1
再配置時間
80 秒
素質
- 観天時自身の周囲8マスにいるオペレーターの最大HP+5%。対象の配置方向がワンチィンと同じの場合、効果値は+9%になる
スキル
設定で詳細一覧を有効にして、詳細データが表示されます。
支援指令γ自動回復手動発動初期SP15必要SP26継続時間8 秒攻撃しなくなり、スキル発動中所持コストが徐々に増加(合計18)value18interval0.44cost1
応東風自動回復手動発動初期SP16必要SP30継続時間15 秒攻撃しなくなり、スキル発動中所持コストが徐々に増加(合計20)
周囲一定範囲内の味方オペレーターのHPを毎秒ワンチィンの攻撃力の25%回復し、範囲内のワンチィンと同じ配置方向の味方オペレーターの攻撃速度+25attack@attack_speed25attack@heal_scale0.25value20wanqin_s_2[cost].interval0.75wanqin_s_2[cost].cost1
モジュール
ORIGINALワンチィンの記章
ワンチィンは戦場において仲間たちの士気向上に秀でている。
外勤部門の決定に基づき
外勤任務においては先鋒オペレーターとして区分し、旗手の責務を担う。
特別に本記章を授与し、
その証明とする。
BEA-X風を引き連れてSTAGE ステータス 強化説明 1 - HP +105
- 防御力 +45
旗手の特性 スキル発動中、ブロック数が0になるが、前方にいる味方1人のブロック数+12 - HP +120
- 防御力 +55
観天時 自身の周囲8マスにいるオペレーターの最大HP+7%。対象の配置方向がワンチィンと同じの場合、効果値は+11%になる3 - HP +135
- 防御力 +60
観天時 自身の周囲8マスにいるオペレーターの最大HP+9%。対象の配置方向がワンチィンと同じの場合、効果値は+13%になる
「ホーシェン――」
ホーシェンは土手から勢いよく立ち上がると、振り向いて辺りを見回した。その際慌てて立ち上がったせいで、糸巻きは川の中へ落ちてしまった。紙で作られた尾のない羽獣の凧(たこ)は、白く輝く空の小さな点となり、川伝いに下流のほうへ向かって彼の視界から消えていった。
彼自身、この川を伝って大荒城に流れ着いた身だ。強風が岸辺に向けて吹いていなければ、あるいは水田に土嚢を運んでいた農民が発見してくれなければ、当時二歳にも満たない子供だった彼の命は恐らくなかっただろう。その時、天師と農民たちは、彼の処遇について夜通し話し合った。戸部に指示を仰ぎ、上流にトランスポーターも送った。しかしその年、北では干ばつに続いて洪水が起こり、南も天災による被害が大きかったため、彼の親族探しは徒労に終わってしまった。
かくして、ホーシェンはホーシェンとして大荒城に残ることになったのだ。
彼は田園で、ポンプのそばで、移動式のビニールハウスで、天師の宿舎で、農家の庭で、そして人工用水路の間の点検用通路で育った。
ホーシェンは未だに覚えているーーシュウ天師が同じ年頃の子を集めて手相を占い、指に酒をつけて皆の額に触れたこと。小満(シャオマン)と一緒に牧獣の背中にまたがりながら、百竈、尚蜀、もしくは北方の丹燕に向かう小山のような貯蔵船を眺めていたこと。糖料作物の実験水田が自然発火し、大荒城が丸一ヶ月間、常に水あめを煮詰めているような香りに包まれていたこと……
ホーシェンが目をこすると、幼い頃から彼を知る農民たちが駆け寄ってきた。
「試験、受かってるぞ!」
彼らは満面の笑みでホーシェンの名を大声で呼ぶ。
「お前さん、受かったんだ!今日からシュウ天師の弟子だなぁ。」
その背後には、悠然と若草を食む一頭の牧獣と、その背につながれた真新しい鉄尺、そして銀色の凧が見えた。強風が彼の背中を人々のほうへ押す。天地を切り開くようなヒューヒューという音がして、鈴がリンリンと鳴り響く。
彼は土手を駆け下り、銀色の風を引き連れて、乙未号区画の用水路の脇を駆け出していった。
基地スキル
天師府の工芸加工所で任意の素材を加工時、副産物の入手確率+65%
刻苦勉励
加工所で任意の素材を加工時、体力消費が4の素材の体力消費-1