- Caper
- 跃跃
- 케이퍼
ケイパー
狙撃タイプ — 旋輪射手
旋回投擲物を所持している場合のみ攻撃できる(投擲物は攻撃後一定速度で手元に戻る)
- BV32
- 遠距離
- 火力
ボーナスを含む
【コードネーム】ケイパー
【性別】女
【戦闘経験】二年
【出身地】ボリバル
【誕生日】1月20日
【種族】コータス
【身長】150cm
【鉱石病感染状況】
メディカルチェックの結果、感染者に認定。
【性別】女
【戦闘経験】二年
【出身地】ボリバル
【誕生日】1月20日
【種族】コータス
【身長】150cm
【鉱石病感染状況】
メディカルチェックの結果、感染者に認定。
【物理強度】普通
【戦場機動】標準
【生理的耐性】普通
【戦術立案】標準
【戦闘技術】普通
【アーツ適性】標準
【戦場機動】標準
【生理的耐性】普通
【戦術立案】標準
【戦闘技術】普通
【アーツ適性】標準
カーリー・ランド、コードネーム「ケイパー」。ボリバル内の争いが頻繁に起きる地域で活動をしており、各勢力から短期間雇用されては、敵対勢力のかく乱を影より行っている。
新たな仕事を探すべく、自ら現地のロドス事務所に接触。外勤オペレーターの仕事に大きな関心を示し、双方共に認識を擦り合わせたのちに協力協定を結んだ。
新たな仕事を探すべく、自ら現地のロドス事務所に接触。外勤オペレーターの仕事に大きな関心を示し、双方共に認識を擦り合わせたのちに協力協定を結んだ。
造影検査の結果、臓器の輪郭は不明瞭で異常陰影も認められる。循環器系源石顆粒検査の結果に異常があり、鉱石病の兆候が認められる。以上の結果から、鉱石病感染者と判定。
【源石融合率】5%
感染レベルはさほど深刻ではなく、体表(主に手の部分)に少量の源石結晶の分布が見られるのみである。
【血液中源石密度】0.16u/L
ケイパーが源石に自ら接触することは極めて少ない。だが彼女の過去の生活スタイルを考慮すれば、源石に汚染された環境に身を置くことは避けられなかっただろう。ボリバルの多くの地域において、鉱石病に罹患するケースはさほど珍しくない。ボリバルの人々は源石に対する防護意識が著しく欠落しており、現地の一部勢力はそのおかげでかなり手間が省けたと言っても過言ではないだろう。
【源石融合率】5%
感染レベルはさほど深刻ではなく、体表(主に手の部分)に少量の源石結晶の分布が見られるのみである。
【血液中源石密度】0.16u/L
ケイパーが源石に自ら接触することは極めて少ない。だが彼女の過去の生活スタイルを考慮すれば、源石に汚染された環境に身を置くことは避けられなかっただろう。ボリバルの多くの地域において、鉱石病に罹患するケースはさほど珍しくない。ボリバルの人々は源石に対する防護意識が著しく欠落しており、現地の一部勢力はそのおかげでかなり手間が省けたと言っても過言ではないだろう。
ケイパーがロドスにやって来ると、彼女の性格はすぐにオペレーターたちの間で少しばかり物議を呼んだ。
ケイパーがこれまでの人生で追い求めてきたことはただ一つ――「楽しさ」である。彼女の言葉を借りれば「遊び」だ。大好物はおもちゃと冗談話、そして新鮮で刺激的なチャレンジ。だけどそれ以上に他の人と一緒に遊ぶことが何よりも好きなのだ。だが、ケイパーにとっての「一緒に遊ぶ」というのは文字通りの意味ではなく、基本的にはこちらの同意を得ることなく、一方的に遊ばれることを指すので注意が必要である。ケイパーの可愛らしい外見に騙され、一緒にいるときに少しでも気を抜くと、彼女の罠にはまってしまう可能性が高い。哀れなLancet-2は身をもってそれを体験している。彼女はケイパーに「システムをアップグレードする」のだと言いくるめられ、THRM-EXの言語モジュールに交換されてしまった。そのせいで、医療部で「エネルギーショック!」と大声で叫んでしまい、そのせいで何日も塞ぎ込んでしまったのだ。
本艦でのケイパーの「お遊び」については、かなりの数のオペレーターは明確な不快感を示し、ケイパーには他人を尊重することを知らないのではないかと疑問の声も上がっている。一方大した実害は出ていないのだしと、彼女に寛容的な態度を示しているオペレーターもいるが、その状態に対して一切不安がないとも言い難い。というのも、ケイパーは自分の行動がどういう結果をもたらすのか、まるで分かっていないようなのだ。
まだ成長途中の子供にとって、これは好ましい状態とは言えない。
ケイパーがこれまでの人生で追い求めてきたことはただ一つ――「楽しさ」である。彼女の言葉を借りれば「遊び」だ。大好物はおもちゃと冗談話、そして新鮮で刺激的なチャレンジ。だけどそれ以上に他の人と一緒に遊ぶことが何よりも好きなのだ。だが、ケイパーにとっての「一緒に遊ぶ」というのは文字通りの意味ではなく、基本的にはこちらの同意を得ることなく、一方的に遊ばれることを指すので注意が必要である。ケイパーの可愛らしい外見に騙され、一緒にいるときに少しでも気を抜くと、彼女の罠にはまってしまう可能性が高い。哀れなLancet-2は身をもってそれを体験している。彼女はケイパーに「システムをアップグレードする」のだと言いくるめられ、THRM-EXの言語モジュールに交換されてしまった。そのせいで、医療部で「エネルギーショック!」と大声で叫んでしまい、そのせいで何日も塞ぎ込んでしまったのだ。
本艦でのケイパーの「お遊び」については、かなりの数のオペレーターは明確な不快感を示し、ケイパーには他人を尊重することを知らないのではないかと疑問の声も上がっている。一方大した実害は出ていないのだしと、彼女に寛容的な態度を示しているオペレーターもいるが、その状態に対して一切不安がないとも言い難い。というのも、ケイパーは自分の行動がどういう結果をもたらすのか、まるで分かっていないようなのだ。
まだ成長途中の子供にとって、これは好ましい状態とは言えない。
同様、ケイパーの外勤任務における振る舞いについても不安を禁じ得ない。彼女が作戦を台無しにする行動に出るわけではないが、ただあまりにも読めない行動を取ってくるため、度々周りをヒヤリとさせ、混乱を招いてしまうのだ。
「大型の乗り物が使われたんですが、あの子、ネジを一本緩めたんです。それだけだったんですけど、走ってる途中で急に暴走し始めて、ドライバーを振り落としながら敵の軍事基地に正面から突っ込んじゃって。しかも機体から漏れ出した燃料が、あろうことか爆発物の倉庫に流れていって……そんな状況なのに、あの子はなんとマシュマロを焼くための串を用意して待ってたんですよ!」と、ケイパーと行動を共にしたオペレーターたちは、当時のことを思い出すといまだに変な汗が出るのだと語る。
だがそのようなめちゃくちゃな作戦過程にも関わらず、ケイパーが参加した外勤任務はいつも効率よく成功を収めている。この事実は多くの者が彼女に対して抱く先入観を覆すものだろう。実際、ケイパーの心理検査の報告書を見る限り、彼女は実年齢をはるかに超えた洞察力を持ち、複雑な状況を分析し、把握する能力を有しているようだ。だがその一方で、彼女は本気で自分の行動を「遊び」だと認識しており、外勤任務と普段のイタズラをほとんど同じものだと見なしている。遊びなんだから、トラブルに巻き込まれないギリギリのラインで、限界まで刺激を追い求めて思いっきり楽しむべきだとケイパーは考えているのだ。
ケイパーの行動に対して驚きの色を示さなかったのは、ボリバル事務所のオペレーターだけだった。戦争に席巻されたボリバルの多くの地域では、街の至るところに孤児や暇を持て余した若者がうろついている。彼らにとって、街中に転がっている混乱が唯一の娯楽であり、刺激を追い求めることが生きる活力となっていた。文字すら読めないような頃からクロスボウやナイフを持ち、追いかけ回されながらゲラゲラ笑う――皆そんな環境を当たり前とし、正されることなく育ってしまったのだ。そして、ほとんどの者は大きくなったあと「プロのチンピラ」となり、地元の勢力に雇われ「大物」たちのために影で働く。与えられる仕事はもっぱら、敵対勢力に潜み、影から混乱を引き起こすことだ。ケイパーの行動は、そのようにして育てられた子供の中では、まだ十分に自制できているほうだと言えよう。
「少なくとも、彼女が引き起こした爆発で傷付いた人はいないからね。」
「大型の乗り物が使われたんですが、あの子、ネジを一本緩めたんです。それだけだったんですけど、走ってる途中で急に暴走し始めて、ドライバーを振り落としながら敵の軍事基地に正面から突っ込んじゃって。しかも機体から漏れ出した燃料が、あろうことか爆発物の倉庫に流れていって……そんな状況なのに、あの子はなんとマシュマロを焼くための串を用意して待ってたんですよ!」と、ケイパーと行動を共にしたオペレーターたちは、当時のことを思い出すといまだに変な汗が出るのだと語る。
だがそのようなめちゃくちゃな作戦過程にも関わらず、ケイパーが参加した外勤任務はいつも効率よく成功を収めている。この事実は多くの者が彼女に対して抱く先入観を覆すものだろう。実際、ケイパーの心理検査の報告書を見る限り、彼女は実年齢をはるかに超えた洞察力を持ち、複雑な状況を分析し、把握する能力を有しているようだ。だがその一方で、彼女は本気で自分の行動を「遊び」だと認識しており、外勤任務と普段のイタズラをほとんど同じものだと見なしている。遊びなんだから、トラブルに巻き込まれないギリギリのラインで、限界まで刺激を追い求めて思いっきり楽しむべきだとケイパーは考えているのだ。
ケイパーの行動に対して驚きの色を示さなかったのは、ボリバル事務所のオペレーターだけだった。戦争に席巻されたボリバルの多くの地域では、街の至るところに孤児や暇を持て余した若者がうろついている。彼らにとって、街中に転がっている混乱が唯一の娯楽であり、刺激を追い求めることが生きる活力となっていた。文字すら読めないような頃からクロスボウやナイフを持ち、追いかけ回されながらゲラゲラ笑う――皆そんな環境を当たり前とし、正されることなく育ってしまったのだ。そして、ほとんどの者は大きくなったあと「プロのチンピラ」となり、地元の勢力に雇われ「大物」たちのために影で働く。与えられる仕事はもっぱら、敵対勢力に潜み、影から混乱を引き起こすことだ。ケイパーの行動は、そのようにして育てられた子供の中では、まだ十分に自制できているほうだと言えよう。
「少なくとも、彼女が引き起こした爆発で傷付いた人はいないからね。」
ボリバル人の過去を調べるのは容易なことではない。オペレーターによる長期の訪問調査の末、我々は「カーリー・ランド」という一つの名前に辿り着いた。
カーリー・ランドはボリバルのスラムに生まれ、幼い頃より母子家庭で育った。母親は現地の軍需工場で組立ての作業員として働いていた。物心がつく頃には、カーリーも自然とスラムの子供たちと同じように、街をうろつくようになった。その頃のカーリーはすでにイタズラにおいて頭角を現しており、市民たちを弾圧する政府の軍隊が下水道に転げ落ちたり、嫌われ者の悪党が電柱に吊るされた状態で朝発見されたりと、多くの事件に彼女の名前が挙げられるようになっていた。
あるストリートチルドレンは、自分たちはずっとカーリーをイタズラの天才だと思っていたと語った。そして、いつの日かきっと区画を五つも陣取っている「赤毛」をボスの座から引きずり下ろし、街の新たなボスになるのだろうと信じていたそうだ。彼らの予想は前半部分のみ概ね当たっていた。カーリーは恐れることなく「赤毛」に挑んだのである。ただ双方の頭脳レベルが公平だとはとても言えないこの勝負は、騙された「赤毛」が軍の駐屯地へ向かう新兵の車両へ乗り込んだことで幕を閉じた。
だがその後、カーリーは皆が期待していたように街のボスになることはなかった。彼女は二つの絶対的ルールを宣言しただけで、すぐにギャングを解散させたのだ。そして、その二つのルールというのが、解散という事実以上に彼らを困惑させたのである。一つ目は人を傷つけてはいけないことで、二つ目は午後の五時半までには必ず家に帰ることだ。それからというもの、カーリーは変わらず仲間と街でこれでもかというほどはしゃぎ回り、あちこちで面倒事を引き起こしては夕方時間通りに帰宅する、そんな楽しい日々を過ごした。
そのような平和な生活は二年前まで、カーリーがひょんなことで鉱石病に感染してしまうまで続いた。母親と激しい口論の末にカーリーは家を、そしてずっと暮らしていた街を離れ、二度と戻ることはなかった。
プロのチンピラ「ケイパー」が現れるようになったのは、それからのことであった。
【訪問筆録】
……カーリーちゃんね、もちろん覚えているわ。絶対にお母さんに迷惑をかけようとしない、とってもいい子なの。
はあ、ここの子供はみんなあんな調子よ……でも仕方ないわ。カーリーちゃんがいた頃はまだ大人しくしてくれてたんだけどねぇ、最近また暴れるようになっちゃって。
でも、カーリーちゃんがあんないい子なのも、全部お母さんであるランドさんの教育の賜物よ。カーリーちゃんはお母さんの言いつけをちゃんと守る子だから、夕方になるときちんと帰ってくるの。だから他の子たちから悪い影響を受けずに済んだのね、きっと。
それとね、カーリーちゃんがまだ小さかった頃の誕生日の日の出来事だけど、カーリーちゃん、他の子たちに自分の力を見せつけてやるんだって、家から燃料を盗み出して、とある高級ブティックで爆発騒ぎを起こそうとしたの。でも、全ての準備が整って、いざ実行だって時に急に手が止まってしまったらしいわ。そして店内に駆け込んでいったかと思うと、店員を全員外に追い出そうとしたのよ。その時ね……カーリーちゃん、お店で自分の誕生日プレゼントを選んでいたお母さんを見かけてしまったの……
カーリーちゃん、それがあまりにもショックだったのか、すくみ上っていたわ。自分があと少しで、取り返しのつかない間違いを犯してしまうとこだったって理解したんだろうね。だけどランドさんは娘の姿に気付くと、ただその手を引いて、給料三ヶ月分もするお洋服をぶら下げて、一緒に家に帰ってたの。
ランドさんはね、全部知っていたのよ。だけど娘は誰かを傷つけたりはしないって信じてたし、ちゃんと反省できる子だって分かってたんだわ……
ランドさんは素晴らしい母親よ。
カーリー・ランドはボリバルのスラムに生まれ、幼い頃より母子家庭で育った。母親は現地の軍需工場で組立ての作業員として働いていた。物心がつく頃には、カーリーも自然とスラムの子供たちと同じように、街をうろつくようになった。その頃のカーリーはすでにイタズラにおいて頭角を現しており、市民たちを弾圧する政府の軍隊が下水道に転げ落ちたり、嫌われ者の悪党が電柱に吊るされた状態で朝発見されたりと、多くの事件に彼女の名前が挙げられるようになっていた。
あるストリートチルドレンは、自分たちはずっとカーリーをイタズラの天才だと思っていたと語った。そして、いつの日かきっと区画を五つも陣取っている「赤毛」をボスの座から引きずり下ろし、街の新たなボスになるのだろうと信じていたそうだ。彼らの予想は前半部分のみ概ね当たっていた。カーリーは恐れることなく「赤毛」に挑んだのである。ただ双方の頭脳レベルが公平だとはとても言えないこの勝負は、騙された「赤毛」が軍の駐屯地へ向かう新兵の車両へ乗り込んだことで幕を閉じた。
だがその後、カーリーは皆が期待していたように街のボスになることはなかった。彼女は二つの絶対的ルールを宣言しただけで、すぐにギャングを解散させたのだ。そして、その二つのルールというのが、解散という事実以上に彼らを困惑させたのである。一つ目は人を傷つけてはいけないことで、二つ目は午後の五時半までには必ず家に帰ることだ。それからというもの、カーリーは変わらず仲間と街でこれでもかというほどはしゃぎ回り、あちこちで面倒事を引き起こしては夕方時間通りに帰宅する、そんな楽しい日々を過ごした。
そのような平和な生活は二年前まで、カーリーがひょんなことで鉱石病に感染してしまうまで続いた。母親と激しい口論の末にカーリーは家を、そしてずっと暮らしていた街を離れ、二度と戻ることはなかった。
プロのチンピラ「ケイパー」が現れるようになったのは、それからのことであった。
【訪問筆録】
……カーリーちゃんね、もちろん覚えているわ。絶対にお母さんに迷惑をかけようとしない、とってもいい子なの。
はあ、ここの子供はみんなあんな調子よ……でも仕方ないわ。カーリーちゃんがいた頃はまだ大人しくしてくれてたんだけどねぇ、最近また暴れるようになっちゃって。
でも、カーリーちゃんがあんないい子なのも、全部お母さんであるランドさんの教育の賜物よ。カーリーちゃんはお母さんの言いつけをちゃんと守る子だから、夕方になるときちんと帰ってくるの。だから他の子たちから悪い影響を受けずに済んだのね、きっと。
それとね、カーリーちゃんがまだ小さかった頃の誕生日の日の出来事だけど、カーリーちゃん、他の子たちに自分の力を見せつけてやるんだって、家から燃料を盗み出して、とある高級ブティックで爆発騒ぎを起こそうとしたの。でも、全ての準備が整って、いざ実行だって時に急に手が止まってしまったらしいわ。そして店内に駆け込んでいったかと思うと、店員を全員外に追い出そうとしたのよ。その時ね……カーリーちゃん、お店で自分の誕生日プレゼントを選んでいたお母さんを見かけてしまったの……
カーリーちゃん、それがあまりにもショックだったのか、すくみ上っていたわ。自分があと少しで、取り返しのつかない間違いを犯してしまうとこだったって理解したんだろうね。だけどランドさんは娘の姿に気付くと、ただその手を引いて、給料三ヶ月分もするお洋服をぶら下げて、一緒に家に帰ってたの。
ランドさんはね、全部知っていたのよ。だけど娘は誰かを傷つけたりはしないって信じてたし、ちゃんと反省できる子だって分かってたんだわ……
ランドさんは素晴らしい母親よ。
ケイパーがロドスに来てからしばらく経ったが、来たばかりの頃と比べると、明らかに「違和感」を覚えることが増えていた。
例えば、彼女が細心に計画したイタズラを前にしたとき、多くのオペレーターは彼女の予想通り慌てるのではなく、むしろケイパーよりも先に大笑いするようになってきたため、本人からすると面白味が大分損なってしまっている。そして、ロドスには面白いモノが至る所にあることにも気付いてしまったのだ――遊戯室に行けばゲーム機があるし、食堂ではいつもオペレーターが冗談を言い合っているし、外勤任務は何もかもが新鮮な物事の連続で、わざわざ「楽しい」ことを探す必要もない。つまり、ケイパーは今までの生活スタイルを続ける必要がなくなってしまったのである。
新しい環境に馴染めないのは一般的な反応ではあるが、それでも我々はケイパーの状況に対して警戒を強めた。今までの事例からして、不安定な生活から平穏な日常へと戻った者が適応障害を発症する可能性は非常に高く、ひどい場合は自傷行為に走ってしまうケースもある。特にまだ子供であるケイパーはなおさら注意が必要だ。そのため、我々は不測の事態に素早く備えられるよう、彼女の行動を観察し、定期的なカウンセリングも施した。
だが観察する限り、ケイパーは少しの戸惑いを感じている以外、特に気になる様子はない。イタズラの頻度が減少し、周囲の一挙一動を観察する時間が増えている。定期カウンセリングにおいても、ケイパーは落ち込みや不安を特に感じてはおらず、むしろ好奇心に満ち溢れていることが分かった。彼女の変化を「まるで数学家が仮説を検証するための新しい方法を見つけたみたいだ」だと表現するオペレーターもいた。
そして下記のシーンを目撃したことで、ついに我々の懸念は全て解消された。
【ケイパー観察報告・二十三】
……ケイパーが、わざと病室の子供たちを挑発するために空き缶を蹴り上げた時、手に汗を握るような緊張が我々の間を駆け抜けた。
だが驚いたことに、子供たちは一瞬にして缶の取り合いに興じ始めたのである。互いに追いかけて追われて、あっという間に疲れて動けなくなってしまった。子供たちがあんなふうにはしゃぐ姿を見たのは初めてだ。皆は真っ赤な顔に笑顔を浮かべながら、ケイパーはきっと今まで缶蹴りの練習をしてたんだとか、自分たちは病人だから不公平だとか、悔しさからか不服そうに文句を唱えていた。
ケイパーはヘヘッと笑うと、手袋を外してその下に隠れていた源石結晶をかざして見せる。それに対し子供たちはがっくりしてため息を吐くと、誰も文句を言わなくなった。
しばらく沈黙が続いたあと、一番幼い子が「明日も一緒に缶蹴りしてくれる?」とケイパーに話しかける。
するとケイパーはそれをバッサリと断ってしまったのだ。「バカじゃないの?まずはちゃんと病気を治しな、楽しいことなんて将来いくらでも待ってるんだから」と。
……
以上のことから、ケイパーの精神状態は我々が思う以上に大人びていると結論付けていいだろう。
彼女はなぜ以前の自分があんな過激な行動ばかりしていたのか、理解したからこそ、行動をもって新しい環境を検証していたのだ。
なにより、彼女はずっと自分のほしいものを明白に理解している。
ケイパーが求めているのは、本当の楽しさである。
そして幸いなことに、それは我々が彼女に十分に提供できるものだ。
【つたない筆跡】
ママ、アタシもう行くね。探したい場所があるの。
「楽しい」で目をふさがなくてもいい場所。
「楽しい」で辛いことと悲しいことを忘れなくてもいい場所。
「楽しい」がただの「楽しい」のままでいられる場所。
それを見つけられたら、またママに手紙を書くよ……
例えば、彼女が細心に計画したイタズラを前にしたとき、多くのオペレーターは彼女の予想通り慌てるのではなく、むしろケイパーよりも先に大笑いするようになってきたため、本人からすると面白味が大分損なってしまっている。そして、ロドスには面白いモノが至る所にあることにも気付いてしまったのだ――遊戯室に行けばゲーム機があるし、食堂ではいつもオペレーターが冗談を言い合っているし、外勤任務は何もかもが新鮮な物事の連続で、わざわざ「楽しい」ことを探す必要もない。つまり、ケイパーは今までの生活スタイルを続ける必要がなくなってしまったのである。
新しい環境に馴染めないのは一般的な反応ではあるが、それでも我々はケイパーの状況に対して警戒を強めた。今までの事例からして、不安定な生活から平穏な日常へと戻った者が適応障害を発症する可能性は非常に高く、ひどい場合は自傷行為に走ってしまうケースもある。特にまだ子供であるケイパーはなおさら注意が必要だ。そのため、我々は不測の事態に素早く備えられるよう、彼女の行動を観察し、定期的なカウンセリングも施した。
だが観察する限り、ケイパーは少しの戸惑いを感じている以外、特に気になる様子はない。イタズラの頻度が減少し、周囲の一挙一動を観察する時間が増えている。定期カウンセリングにおいても、ケイパーは落ち込みや不安を特に感じてはおらず、むしろ好奇心に満ち溢れていることが分かった。彼女の変化を「まるで数学家が仮説を検証するための新しい方法を見つけたみたいだ」だと表現するオペレーターもいた。
そして下記のシーンを目撃したことで、ついに我々の懸念は全て解消された。
【ケイパー観察報告・二十三】
……ケイパーが、わざと病室の子供たちを挑発するために空き缶を蹴り上げた時、手に汗を握るような緊張が我々の間を駆け抜けた。
だが驚いたことに、子供たちは一瞬にして缶の取り合いに興じ始めたのである。互いに追いかけて追われて、あっという間に疲れて動けなくなってしまった。子供たちがあんなふうにはしゃぐ姿を見たのは初めてだ。皆は真っ赤な顔に笑顔を浮かべながら、ケイパーはきっと今まで缶蹴りの練習をしてたんだとか、自分たちは病人だから不公平だとか、悔しさからか不服そうに文句を唱えていた。
ケイパーはヘヘッと笑うと、手袋を外してその下に隠れていた源石結晶をかざして見せる。それに対し子供たちはがっくりしてため息を吐くと、誰も文句を言わなくなった。
しばらく沈黙が続いたあと、一番幼い子が「明日も一緒に缶蹴りしてくれる?」とケイパーに話しかける。
するとケイパーはそれをバッサリと断ってしまったのだ。「バカじゃないの?まずはちゃんと病気を治しな、楽しいことなんて将来いくらでも待ってるんだから」と。
……
以上のことから、ケイパーの精神状態は我々が思う以上に大人びていると結論付けていいだろう。
彼女はなぜ以前の自分があんな過激な行動ばかりしていたのか、理解したからこそ、行動をもって新しい環境を検証していたのだ。
なにより、彼女はずっと自分のほしいものを明白に理解している。
ケイパーが求めているのは、本当の楽しさである。
そして幸いなことに、それは我々が彼女に十分に提供できるものだ。
【つたない筆跡】
ママ、アタシもう行くね。探したい場所があるの。
「楽しい」で目をふさがなくてもいい場所。
「楽しい」で辛いことと悲しいことを忘れなくてもいい場所。
「楽しい」がただの「楽しい」のままでいられる場所。
それを見つけられたら、またママに手紙を書くよ……
ケイパーが持っている「グルグルちゃん」というオモチャは、間違いなく一種の武器である。
その構造を分析した結果、七割を超えるパーツがボリバルの軍用装備由来であることが判明した。パーツ自体はかなり古く、劣化していたが、それでも組み合わせてしまうと一定の殺傷力を有しており、明らかに子供に遊ばせていいものではない。
ケイパーによれば、それは彼女の母親が特別に作ってくれたオモチャなのだという。彼女は世に一つしかないオモチャを希望したが、ショーウィンドウに飾られているような人形を買う余裕はケイパーの家には当然ない。そこで、母親は工場の廃棄パーツを使ってこの「グルグルちゃん」を作ってくれたそうだ。
「グルグルちゃんがなかったら、誰でも持ってるようなクロスボウで遊ぶしかないでしょ?そんなのつまんないじゃん。」
ケイパーが好き勝手に「グルグルちゃん」を扱えることの危険性を危惧しているオペレーターが多いことは、我々も把握している。だが実際のところ、ケイパーは規則を破るような使い方は一度もしていない。
現時点においての「グルグルちゃん」の最も輝かしい戦績は、ケオベをはじめとする数名のペッローたちを虜にし、昼から夕方までずっと空き地で夢中になって何往復も追いかけさせたことくらいだ。
その構造を分析した結果、七割を超えるパーツがボリバルの軍用装備由来であることが判明した。パーツ自体はかなり古く、劣化していたが、それでも組み合わせてしまうと一定の殺傷力を有しており、明らかに子供に遊ばせていいものではない。
ケイパーによれば、それは彼女の母親が特別に作ってくれたオモチャなのだという。彼女は世に一つしかないオモチャを希望したが、ショーウィンドウに飾られているような人形を買う余裕はケイパーの家には当然ない。そこで、母親は工場の廃棄パーツを使ってこの「グルグルちゃん」を作ってくれたそうだ。
「グルグルちゃんがなかったら、誰でも持ってるようなクロスボウで遊ぶしかないでしょ?そんなのつまんないじゃん。」
ケイパーが好き勝手に「グルグルちゃん」を扱えることの危険性を危惧しているオペレーターが多いことは、我々も把握している。だが実際のところ、ケイパーは規則を破るような使い方は一度もしていない。
現時点においての「グルグルちゃん」の最も輝かしい戦績は、ケオベをはじめとする数名のペッローたちを虜にし、昼から夕方までずっと空き地で夢中になって何往復も追いかけさせたことくらいだ。
HP
2200
攻撃力
665
防御力
160
術耐性
0
配置コスト
14
攻撃間隔
1 秒
ブロック数
1
再配置時間
70 秒
素質
- 遊び心攻撃時、25%の確率でその攻撃のみ攻撃力が150%に上昇
スキル
設定で詳細一覧を有効にして、詳細データが表示されます。
- 強撃β攻撃回復自動発動必要SP3次の通常攻撃時、攻撃力が230%まで上昇atk_scale2.3
- ハピネス200%!攻撃回復手動発動初期SP15必要SP25継続時間20 秒攻撃力+60%、攻撃時に旋回投擲物を追加で1個放つatk0.6cnt2
基地スキル
- 情報収集α応接室配置時、手がかり捜索速度+10%
- 無垢な笑顔応接室配置時、情報共有中の手がかり捜索速度+30%